環境省が植物由来の新素材を採用した「NCV」を初出展【東京モーターショー2019】

■環境省が初のコンセプトカーを公開!ボディに軽量新素材「CNF」を採用

入場者数が目標の100万人を大きく超えた今回の東京モーターショー2019。そうした中、環境省が同省初となるコンセプトカーを出展しました。

軽量新素材「CNF」を採用したコンセプトカーNCV

NCV(ナノ・セルロース・ビークル)がそれで、このスタイリッシュな2シーターモデル、何と車体に金属ではなく植物を原料とした次世代素材「CNF」(セルロースナノファイバー)を採用しています。

クルマが排出するCO2を低減するための施策のひとつが「軽量化」。

京都大学が中心となり、計22の大学・研究機関・企業等でコンソーシアムを構成。2016年に開発をスタートさせ、今回のコンセプトカーではボンネットやルーフ等にCNFが採用されています。

車両全体で10%以上、部品レベルでは50%程度の軽量化を達成しており、ショー会場には小泉環境相も訪問。

CNFは木の繊維をナノレベルまで細かくほぐした素材を元に成形加工したもので、地球環境に優しく、車体軽量化による燃費改善で走行時のCO2排出量を削減できるという訳です。

国土の多くを森林が占める日本にとって調達しやすい資源だけに、環境省では今後もコストダウンを図り、2020年〜2040年にかけてCNFの採用を拡大したい考えのようです。

Avanti Yasunori・画像:京都大学)

【関連リンク】

NCV(Nano Cellulose Vehicle)プロジェクト
http://www.rish.kyoto-u.ac.jp/ncv/

この記事の著者

Avanti Yasunori 近影

Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
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