●自動運転時代を見据えたタイヤのIoT戦略を発表した横浜ゴム
東京モーターショー2019で横浜ゴムはIntelligent Tire Conceptとして、タイヤのコネクティビティを軸にしたタイヤのIoT戦略の発表を行いました。
時代とともに変化していく要求に応える新しいタイヤの技術などを発表した横浜ゴムの出展ブース。
タイヤのウェット性能やリサイクルなどは実際に体験することも可能となっています。
特に軽量化技術は実際に体験すると、その成果に驚きます。同じサイズのタイヤで9kgと4.5kg。つまり50%の軽量化を実現しています。女性でも簡単に持ち上げることができます。
そんな新技術を披露した横浜ゴムがその先を見据えた戦略を発表しました。横浜ゴム 取締役常務執行役員 野呂政樹氏によると「自動運転や無人運用などでのタイヤの安全の確保」のためのIoT(インターネット オブ シングスの略)戦略と言えるもの。
自動運転による無人運用が始まるとタイヤをチェックする機会が極端に減るために、パンクを起こしにくいタイヤや起こしてもすぐに自己修復するタイヤなどの開発が望まれます。またこれまでのようなタイヤでは損傷やトラブル、摩耗といった状態を見過ごす可能性があるためタイヤ自体がデータを送信し、それを活用していかなくてはならない、とのこと。
特にタイヤをセンサーでモニタリングし、常に状態を監視するシステムの構築が必要となってきます。今回の東京モーターショー2019ではこの部分において重大な発表が行われました。
このIntelligent Tire Conceptの開発パートナーとしてアルプスアルパインとの共同開発を発表したのです。カーナビなどの車載機器やセンサー開発からシステム構築まで豊富な経験とノウハウを持つIoT戦略の先駆者とも言えるアルプスアルパインと手を組むことで、これからのAI自動運転に対応するタイヤづくりを実現していこうというもの。
もうSFの世界ではなくなってきた自動運転への新技術はこういったところからも実感できるのです。
(写真・文:松永和浩)