■コンペティションのスピリットを貫くホンダCRF250Fのミニマム装備
CRF250Fは本来コンペティションモデルですが、横浜のバイクショップ・アルファスリーにより、保安部品を取り付けることで公道仕様のマシンに作り変えられています。充実装備で快適さを演出する純ストリートモデルとは異なり、あえて機能を絞り込んだ最小限の装備のみを備え、コンペティションモデルそのままの走りが再現されています。
メーターには、サイクルコンピュータを思わせるコンパクトサイズのENDURANCE2が使われています。スピードメーターとしてはもちろんのこと、トリップメーターや時計としても使えるなかなかの多機能ぶりですが、3つのボタンを組み合わせておこなう操作はかなり複雑で、慣れるまでに少し時間がかかりそうです。
右手のセルスイッチを押せば、エンジンはいともたやすく始動します。かつてキックスタートに汗を流しつつオフロードを走ってきたベテランライダーにとっても、キックに不慣れなビギナーライダーにとっても嬉しい装備ですね。
ヘッドライトやホーン、ウインカーなどのスイッチ類はスタンダードなレイアウトで、操作に迷うことはありません。スイッチボックスの内側には押しボタン式のキルスイッチがついています。
シュラウドには、表面に凹凸加工が施された黒いパーツが組み込まれています。カーボンっぽくて見た目もかっこいいですが、コーナリング中に足でタンクを抑えるときには、滑り止めとして一役買ってくれそうですね。またシートの座面にも滑り止め加工が施されています。
フットペグは滑り止め付きで幅広なので、不安定な路面を走るときも安心してステップを踏み込めます。チェンジペダルと共に可倒式なので転倒時のダメージは最小限ですみそうですね。
CRF250Fは、当然のように前後ともディスクブレーキを装備しています。円周が波打つようなデザインになったウエーブローターには、見た目の良さもさることながら、ダスティな路面を走ってもキャリパーに汚れがつきにくくなる効果があるそうです。
CRF250Fのマフラーは、ストリートモデルに比べると小ぶりで、排気音はやや大きくパンチのきいた太めの音質です。しかし回転をあげてもけっしてうるさくはなく、夜の住宅街なども安心して走れるレベル。ただしヒートガードは付いていないので、熱くなっているときにうっかりマフラーに触らないよう注意が必要です。
薄型軽量のLEDテールライトはフェンダー下にすっぽり収まり、ウインカーやナンバープレートと共に美しくまとまって、ソリッド感のあるシャープなリアビューを生み出しています。フェンダーにはALFA THREEのロゴ入りバッグが付属していますが、容量は控えめで車載工具が入れられる程度。それでも、あると嬉しい貴重な積載スペースといえますね。
さて、次回はいよいよ実走レポートです。めいっぱい走り込んでみましょう!
ホンダCRF250F
【主要諸元】
全長×全幅×全高:2108mm×798mm×1185mm
シート高:883mm
エンジン種類:空冷4ストロークSOHC4バルブ単気筒
総排気量:249cc
最高出力/最大トルク:22pp/2.28kgm
燃料タンク容量:6ℓ
タイヤ(前・後):80/100-21・100/100-18
ブレーキ:前後ディスク
車両価格:77万8000円
※アルファスリーにて取り扱い
(写真:高橋克也 文:村上菜つみ)
【関連リンク】
アルファスリー
https://www.alphathree.co.jp/