●今が旬のコネクテッド技術を、既存の車輌に後付けさせる
2019年の東京モーターショーでは、自動車メーカー、部品メーカーのあいだで「コネクテッド技術」が、非常に重要視されていました。いわゆる『IoT(インターネット・オブ・シングズ)』、さまざまなデバイスをインターネットに接続しようというものですね。
なので、クルマの各部の情報を集約してクラウドなどと通信するコネクテッドデバイスは、数多くの部品メーカーブースに展示されていて、珍しいものでもなんでもありません。ただ、そのほとんどは、今後発売される新車に搭載されることを目指した純正装備でした。
それとは対照的に、ユニークなアプローチをしていたのがカーメイトのコネクテッドベースです。これは純正採用を目指したものではなく、後付けでコネクテッドカーを実現しようというものです。
まだ開発中なので、具体的な仕様は決まっていない部分もあるようですが、SIMを搭載するなどして情報通信を可能にしたコネクテッドベースをクルマに装着します。そのコネクテッドベースと、クルマの各種カー用品とをBLE(Bluetoothローエナジー)で接続し、各種カー用品からの情報を取得してクラウド経由でオーナーやメーカーに伝えたり、あるいはオーナーのスマホから遠隔操作したりということを可能にするものです。
たとえば、オーナーはスマホを使ってエンジンをかけたり、ドアロックを解除したりできます。また、センサーが不審者を検知すると、コネクテッドベースからオーナーのスマホに知らせ、ドライブレコーダーの映像をスマホに送ることもできます。するとオーナーはスマホを操作して、コネクテッドベースを介してクルマのセキュリティシステムの警報音を作動させるといったことができます。
これにあわせて、カーメイトでは不審者の接近を360度検知できるドップラーセンサーも開発。これもセットで使うことでセキュリティ性能を強化させることができます。
このコネクテッドベース、2021年の発売を目標に開発しているそうですが、開発はオープンにしていて、他社製品でもBLEで通信して制御できるようにしていきたいそうです。
もちろん後付けなので、これから発売される新車のコネクテッドカーよりはできることも限定されるでしょうが、さまざまなカー用品との通信・連携が進めば、愛車をより快適・便利にすることができるようになるかもしれません。
(まめ蔵)