豊田自動織機は新型グランエースに積まれている2.8Lディーゼルエンジンなどの圧縮技術と電動車の電源活用を紹介【東京モーターショー2019】

■ギネスに認定された空気エンジン自動車は最高速129.2km/h

豊田佐吉が発明、完成した自動織機の製造、販売を目的として1926年に創立された豊田自動織機。現在は自動車事業として現行RAV4の生産を手がけているほか、主な事業である産業車両、物流事業など幅広い事業領域を持っています。

豊田自動織機 東京オリンピック・パラリンピック2019
プレスカンファレンスに登壇した豊田自動織機の大西 朗社長

プレスカンファレンスに登壇したのは、大西 朗社長で、主に自動車事業の現況と、売上高4兆円超(自動車、産業車両・物流を含む)を目指す「2030年ビジョン」に触れ、「軽量・静音・低振動」に寄与する圧縮技術を紹介。

豊田自動織機 東京モーターショー2019
参考出品された豊田自動織機の中速充電スタンド

自動車事業では、車両組立(RAV4)、エンジン、エレクトロニクス、コンプレッサーなどがあり、カーエアコン用コンプレッサーは世界シェア首位を誇っています。今回は、自動車関連事業の製品を同社の強みである「圧縮技術」「電動車の電源活用」というテーマに分けて展示。

豊田自動織機 東京モーターショー2019
2.8Lディーゼルエンジンの「1GD-FTV」。可変ジオメトリーターボを搭載し、177PS/450Nmを得ている

圧縮技術では、ターボとの組み合わせで省燃費と高出力を両立させた環境にやさしいエンジン(新型グランエースに積まれている2.8Lディーゼルエンジンを含む)や、カーエアコン用コンプレッサー、FCVの発電に必要な空気を吸引、圧縮して発電装置に送る酸素供給エアコンプレッサーなどが展示されています。

豊田自動織機 東京モーターショー2019
AC100Vから240Vまで対応する車載充電器

電動車の電源活用では、クルマのバッテリーから取り出した直流電力を家庭用の交流電力に変換し、非常時の電源として活用する取り組みに注目が集まっている中、ACインバーターは、東日本大震災の際、停電時の携帯電話充電や暖房機器などの電源として使用されたのを機に、非常時の活用に関心が高まっています。

今回の出展では、ハイブリッドやプラグインハイブリッドなどの電動車を6台接続し、高出力の電力をエレベーターなどの設備に供給する「ACインバーター結合器」や、FCバスなどの大電力供給能力を活用する「外部給電器(V2L)」など、開発中の製品を含めた電源活用が提案されています。このうち、ACインバーター結合器と中速充電スタンドが参考出品になります。

豊田自動織機 東京モーターショー2019
ギネスに認定された空気エンジン自動車「KU:RIN」

そのほかにも、社内サークルの活動で、最高速129.2km/hでギネスに認定された空気エンジン自動車「KU:RIN」、圧縮体験展示(雲を作ってみよう/温度と圧力変化を見てみよう)など体験型の展示も用意。さらに自律モバイルロボット、産業車両・物流の展示もあります。

豊田自動織機 東京モーターショー2019
豊田自動織機の自律モバイルロボット「AiR」

(文/写真 塚田勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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