ホンダeの量産モデルを見て感じた、その「イケる」感【東京モーターショー2019】

●「ショーカーに近いまま量産されたクルマは成功する」法則にマッチ!?

欧州ではすでに予約が開始され、しかもその状況は好調だというホンダのピュアEV「ホンダe」。ホンダ初の量産EVとはどんなものか? 興味津々で見てみましたが、これがけっこうイケてます。

ホンダe 前7-3スタイリング
丸目のヘッドライトがヒストリックさを強調するフロントスタイル

今まで長いことモーターショーを見てきましたが、そのなかで肌で感じているのが「ショーカーに近いまま量産されたクルマは成功する」という雰囲気。どれもがすべてではないですが、近年で言えばレンジローバー・イボークやレクサスLCなど、ショーカーに近い状態のデザインで量産化されたモデルは成功した例が多いのです。

ホンダe インパネ
ずらっと並んだ液晶パネル。両端はドアミラー代わりのモニター
ホンダe 液晶パネル
液晶パネルはタッチスクリーン式

ホンダeのスタイリングは見た目に可愛くて、どこかノスタルジックな雰囲気にあふれています。でありながら、パワーユニットはモーターであり先進性においては十分過ぎるほどの技術感があります。

さらに言えば、そのモーターはリヤに搭載され、いわゆるRRの駆動方式を採ります。この部分もEVとしてはめずらしいこととも言えます。

ホンダe ボンネット内
モーターはリヤに搭載されるため、フロントセクションはあまり詰め込み感がない
ホンダe 充電口
充電口はボンネット上に設置。急速、普通ともに同じリッド内に収まる

環境問題などを含めてクルマがEVにシフトしていくのは当然の道筋ですが、その道筋のなかでただ単純に電気のクルマを作るのではない。EVだから未来感のカタマリにするのではない……という点がホンダeが人気を集める理由……というのが、今回量産版のモデルを見て感じた印象です。

ホンダe リヤスタイル
丸みを帯びたリヤのスタイリング。リヤコンビランプも丸くキュートだ

(文/写真・諸星陽一)

この記事の著者

諸星陽一 近影

諸星陽一

1963年東京生まれ。23歳で自動車雑誌の編集部員となるが、その後すぐにフリーランスに転身。29歳より7年間、自費で富士フレッシュマンレース(サバンナRX-7・FC3Sクラス)に参戦。
乗って、感じて、撮って、書くことを基本に自分の意見や理想も大事にするが、読者の立場も十分に考慮した評価を行うことをモットーとする。理想の車生活は、2柱リフトのあるガレージに、ロータス時代のスーパー7かサバンナRX-7(FC3S)とPHV、シティコミューター的EVの3台を持つことだが…。
続きを見る
閉じる