●「ショーカーに近いまま量産されたクルマは成功する」法則にマッチ!?
欧州ではすでに予約が開始され、しかもその状況は好調だというホンダのピュアEV「ホンダe」。ホンダ初の量産EVとはどんなものか? 興味津々で見てみましたが、これがけっこうイケてます。
今まで長いことモーターショーを見てきましたが、そのなかで肌で感じているのが「ショーカーに近いまま量産されたクルマは成功する」という雰囲気。どれもがすべてではないですが、近年で言えばレンジローバー・イボークやレクサスLCなど、ショーカーに近い状態のデザインで量産化されたモデルは成功した例が多いのです。
ホンダeのスタイリングは見た目に可愛くて、どこかノスタルジックな雰囲気にあふれています。でありながら、パワーユニットはモーターであり先進性においては十分過ぎるほどの技術感があります。
さらに言えば、そのモーターはリヤに搭載され、いわゆるRRの駆動方式を採ります。この部分もEVとしてはめずらしいこととも言えます。
環境問題などを含めてクルマがEVにシフトしていくのは当然の道筋ですが、その道筋のなかでただ単純に電気のクルマを作るのではない。EVだから未来感のカタマリにするのではない……という点がホンダeが人気を集める理由……というのが、今回量産版のモデルを見て感じた印象です。
(文/写真・諸星陽一)