●完全自動運転と大型トラックの電動化を目指すUDトラックスの描く未来とは?
UDトラックスは東京モーターショー2019でレベル4自動運転のコンセプトトラックと場内EV走行が可能なハイブリッドトラックの実験車両を公開しました。
UDトラックスは2030年までに完全自動運転と大型トラックの電動化を目指し、様々な取り組みを始めています。それが実現したとする未来を提案するコンセプトトラックとしてQUON CONCEPT 202Xをセンターに据えた展示を行っています。
このコンセプトトラックQUON CONCEPT 202Xが実際に走る未来は「自動運転と電動化により流通システム自体が大きく変化した未来です」と、UDトラックスの代表取締役 酒巻孝光氏は語ります。
そんな未来へ向けての取組みが自動運転の実証実験となります。その自動運転の実証実験車が今回の東京モーターショー2019で公開されています。
この自動運転実験車・風神は、リアルタイムキネマティックGPSや3D-LiDARなどの技術をもとに自動走行を行います。
UDトラックスの開発部門統括責任者 ダグラス・ナカノ氏の解説でその説明動画を見てみると驚くべきことに完全な手放し運転で敷地内を走行しています。
この風神の技術は2020年内に工場や農地などの限定領域内での自動運転の実用化を図る、とのこと。もう来年の話です。
そして電動化へ向けた実験ではハイブリッド化を推し進め、2030年までにフル電動のトラックを量産することを目指します。
この雷神では食品倉庫内など排気ガスを出すことに躊躇するような場面などを想定し、必要に応じてEV走行が可能なハイブリッドトラックとして開発されています。ここから得た知見をもとにフル電動トラックへの礎を気づいていくものです。
これらの集大成が2030年までに目指す未来として提案されたQUON CONCEPT 202Xとなっていくのです。
また近々の課題としてトラックドライバーの高齢化や女性参画などによりトラックにもイージードライブが求められていると言われます。そんなニーズから開発された現在のトラックの最高峰として展示されるのがQUON GKトラクターです。
電子制御オートマティックトランスミッションなど、従来にもまして操作性の向上を果たしています。
また日本では販売されない新興国向けのトラックにも電子制御オートマティックトランスミッションやテレマティクスなどを採用し運転パフォーマンスを向上させています。
またUDトラックスを始めとするボルボ・トラックグループではグループ全体でコネクティングサービス搭載車の販売100万台を達成したとのこと。ドライバー、事業者、そしてメンテナンス工場などが情報を共有し安全で的確な体制でのトラックの運用を実現しています。
遠い未来に感じるようなことが実際にはもうすでに始まっているのです。
(写真・文:松永和浩)