■人と機械の領域をシームレスに繋ぐ
「兄よ、ジェイテクトって大丈夫?」というCMコピーで知名度を上げているジェイテクト。
1988年、世界で初めて電動パワーステアリングを開発し(スズキ・セルボに搭載)、以来ステアリングシステムの世界シェアでナンバーワンを続ける先進的な企業であり、駆動系部品や軸受(ベアリング)、工作機械の分野でも存在感を示しています。
そんなジェイテクトの東京モーターショーブースは、近未来の自動車のキーワードであるCASEのうち「A(Autonomous=自動化)」と「E(Electric=電動化)」に注力するという意志にあふれていました。
まずは「A(自動化)」。自動運転の領域では、これまで人間が行ってきた操舵をクルマ自身が行うわけですが、ジェイテクトでは各種センサーなどから必要な操舵量を求め、実際にタイヤを操舵するという重要な領域を担おうとしています。
沖縄で行った大型バスの実証実験では、バス停と車体の間隔を40mm±20mmという精度で停車させられる技術を公開し、ベテラン運転手以上のテクニックを見せつけました。
さらには人間が運転する領域と自動運転の領域をシームレスにつなぐ「ハンズオンディテクション」という制御を熟成。無機的と思われる自動運転に「人間臭さ」を融合しようとしている点も注目される動きです。
次は「E(電動化)」です。クルマがEV化すると、パワステや駆動系部品もエンジン動力を利用することはできず、バッテリーからの電力で動くことになります。
ジェイテクトでは、パワステの電動化を拡大することはもちろん、オイルポンプや4輪駆動システムなど電動化するという技術を推進しています。またEV用電池の生産システムを提供していることから、電池メーカーのリチウムイオン電池の生産を後押しするような努力も進めていくとのことでした。
ジェイテクトブースでは、こうした取り組みをトヨタ・RAV4のカットモデルや、独自の「Future Concept Vehicle2」などを通して実感することができます。キーワードは「触って欲しい、技術の未来に」。ぜひジェイテクトの未来の技術に触ってみてください!
(文と写真:角田伸幸)