●一度私に騙されたと思って(笑)サーキットに来てみてください。
とかく男の世界と思われがちなモータースポーツの世界。ところが最近は競女カップやWシリーズなど、ドライバーを女性限定にしたカテゴリも発足するなど、モータースポーツに関わる女性も増えてきました。
そんなモータースポーツの中でも、ドライバーとしてではなく、あくまで主役を支えるかたちでモータースポーツに関わっている女性たちは、一体どんなところにモータースポーツの魅力を感じているのでしょう?そんなちょっとした疑問を、実際にモータースポーツの現場にいる女性に聞いてみようというこの企画。
第7回目は、レースクイーンとして、そして引退後はイラストレーターとしてモータースポーツの普及に活躍している大山美保さんにお話を伺いました。
──まずは大山さんの経歴から教えて下さい
こんにちは。みほまること大山美保です。
私は2010年から3年間SUNOCO(日本サン石油)のレースクイーンを務めさせていただき、2013年に今回もお世話になっているこちらD’stationのレースクイーンFresh Angels、2014年にはKEIHIN Blue Beauties、そして2015年のRAYBRIGレースクイーンをもってレースクイーンを引退しました。
その後もレース関係が大好きで何かの形で関わっていたいと思ったので、鈴鹿サーキットのサイトで4コマ漫画を書かせていただいたり、今回のようにチームのお手伝いをさせていただいたりしています。
──レースはレースクイーンになる前から好きだったんですか?
私は三重県出身で、三重県には皆さん御存知の通り鈴鹿サーキットがありますよね。そこで毎年F1をはじめスーパーGTとか大きなレースをやっていたのは知っていて、興味がなかったというわけではないんですが当時は自分からレースを観に行くことはなかったです。ただ、大きなレースになるとアルバイトの募集があって、駐車場の整理誘導のアルバイトとかを普通にしていました(照)
そんな感じでちょこちょこアルバイトでサーキットに行っている時に、サーキットの中でフラッグを配るお仕事を担当した事があって、その時たまたまレースクイーンさんが目に入ったんですね。そのレースクイーンさんたちがすごくかっこよくてキラキラしていて、自分もああいう存在になれるのかなって思ったらすごく興味が湧いちゃったんです。
レースクイーンに憧れたのは、スポンサーさんやメーカーさんなど企業の看板を背負いながら、世界に一つしかない衣装を着て全国を回るっていうことがすごくかっこいいなと思ったからです。そんな憧れをもってしまって、すごくレースクイーンになりたくて、いろいろネットで調べてみたらたくさんのレースクイーンさんたちの写真が出てきて、本当にやってみたいって思いました。
ただ大きなチームになるとどうしても東京の事務所に行く必要があると思っていたんですが、ある時たまたまレースクイーンの一般公募があったんですね。なので自分で履歴書を書いて送ってみたんですけど何の反応もなくて。今考えたら怪しいと思われても仕方ないですよね(笑) それでこの時にやっぱり正式に事務所に入ってオーディションを受けなきゃいけないんだなと思い、東京の事務所を自分で探して事務所に所属してオーディションを受けるようになって、そこからレースクイーンとして活動するようになりました。
──なるほど。かなり積極的にご自分で行動されてレースクイーンになったんですね。車も元々好きだったんでしょうか?
三重県に住んでいて車社会なのもあり、どうしても一人一台車が必要なので、やっぱり車に対しての興味は結構ある方だと思います。自分が乗る車はどちらかと言うと可愛い感じの車が好きなので、ミニとかワーゲン(ビートル)とか乗りたいと思っていました。
ただやっぱり男の人が乗る車はかっこいいのが良いなっていう憧れはあって、自分は車もレースも好きだけど自分が乗りたいわけではなくて、かっこいい車に乗っている人と、それを運営しているチームの方たちを応援したいっていうのが、レースクイーンになりたいっていう憧れやレースが好きな理由なんだと思います。
──ではそんなに憧れたレースクイーンに実際になってみて、レースやチームを間近で見ていかがでしたか?
最初に衝撃を受けたのは、大の大人が泣いたり笑ったり怒ったり、真剣になってここまで感情を出すことってあるんだっていう事に凄く衝撃を受けました。普通の仕事をして生活していたら、なかなかこんなに感情を揺さぶられる事ってないと思うので、すごい世界だなと思ったのがレースに引き込まれたきっかけですね。
そして、その戦ってる(レースの)世界って、例えば予選で本当にコンマ1秒で全然順位が変わったりしてしまうじゃないですか。そんなギリギリのところで戦ってる人達を見て、それはドライバーさんだけの力じゃなくてそれを作るチームの人達の力でもあるし、ひとりひとりの役割ってすごく大事なんだなって。ネジが少し緩んでいるだけでも全然変わってしまう。
だからこそ常にプロフェッショナルを求められているし、真剣勝負っていうところにすごく魅力を感じました。そんなところを実際に間近で見せてもらった事で心が揺さぶられ、虜になったっていう感じですね。そういう頑張っている人たちを応援したいって思いました。
──そんな人間臭さもレースの魅力の一つだと僕も思います。では最後に、そんな人達をみほまると一緒に応援してくれているファンの方々にメッセージをお願いします
私も4コマ漫画を書きながら皆さんに伝えたいのは、レースってもちろんテレビとかで観るのも楽しいですし、サーキットに来たことがない方はちょっと行きづらいんじゃないかとか、レースって垣根が高いイメージがあったりと、壁があるかもしれません。だけど実際には思ったよりもアクセスが良かったりとか、シャトルバスが出ていたりして、来てみたら来ただけの価値や魅力があります。
それは臨場感だったり選手はじめスタッフやレースクイーンの表情が見れたり感情を感じたりすることだったりいろいろです。そんないろんなことが見られるサーキットに来ることで、もっともっと車やモータースポーツが好きになることは間違いないと思うので、私もこれからも4コマ漫画を通じていろんな事を伝えていきたいと思っています。
なので一度私に騙されたと思って(笑)サーキットに来てみてくださいね。
レースはマシンがなければできません。そのマシンに携わるドライバーさんはじめ多くの人たちの努力や感情に触れたことが、大山さんの心を揺さぶり、モータースポーツから離れられなくしてしまったようです。そんな心を揺さぶられるような体験を、ぜひあなたもサーキットで感じてみませんか?
そしてそんなみほまるさんの書いた4コマ漫画も期間限定で公開中ですので、ぜひご覧になってみてくださいね。
それではまた、次回もお楽しみに!
(H@ty)
【関連リンク】
4コマ漫画で分かるSUZUKA GT 300kmの見どころ(期間限定公開)
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