■2003年にデビュー4代目レガシィは2リットルNAでも十分な走り
「スバルGTエクスペリエンス」のはじまりは、東京・恵比寿のスバル本社からでした。最初に乗ることになったモデルは4代目の2リットル自然吸気です。まずはこのモデルで最初の目的地、山梨県勝沼市を目指します。
4代目レガシィは2003年にデビューしたモデルですから、今から16年前のモデルということになります。しかしさほどの古さは感じません。今のクルマと大きく異なるのは、オーディオが6連装CDチェンジャーとMDプレイヤーになっている部分でしょう。
数は少ないもののステアリングスイッチも採用されています。年々、安全要件が厳しくなる傾向のなかで開発されたモデルだけにAピラーはかなり太くなる時代でした。
当時の2リットル自然吸気はさほど力強いものではありませんが、普通に乗る分には十分な印象です。首都高速の入り口からの流入も力強く加速します。目指す勝沼には中央高速を使います。そしてそこには難所とも言える談合坂の登り坂が存在しています。高速道路の長い登り坂となる談合坂はクルマの真価が問われるコースです。パワフルなクルマなら難なく走りますが、ちょっとパワーが低めのクルマにとってはキツくなります。
NA2リットルの4代目レガシィによってはキツい道なのですが、さほどイヤな印象はありません。アクセルを強く踏み足さないと速度が維持できないということもありません。このクルマの性能を考えれば十分と言えるでしょう。
この4代目のひとつ前、3代目レガシィでリヤサスペンションがマルチリンクとなったため、ラゲッジルームへのタイヤハウスの張り出しが少なく使い勝手がいいものです。シングルアクションでフラットになり、ツーリングワゴンの名に恥じないものとなっています。
無事に談合坂をクリアし、そのまま中央道を上りながら勝沼に到着。集合場所のレストランに寄る前に甲府盆地に広がるブドウ畑を見に行きました。ブドウ畑にアクセスする道は狭く視界も悪いのですが、それを気にすることなく走れてしまうのもいい部分。レガシィの底力を感じられる試乗となりました。
(文・諸星陽一/写真・前田惠介)