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●「360度セーフティアシストシステム」を全車標準で装備したセレナ
売れ行き絶好調なワンボックスミニバン「ニッサン・セレナ」が、8月にマイナーチェンジとなりました。今回、その改良型セレナに試乗しましたので、まさしく日産で開発エンジニアをしていた筆者が、古巣ニッサンに忖度一切なしで紹介します。
まず、前編として「セレナの良い点」を、別記事で後編として「気になる点」をご紹介します。
改良型セレナで大きく変わったのは、フロントフェイスです。上級グレードに位置するハイウェイスターではダブルVモーショングリルを採用、それ以外のグレードも、以前よりも大きくド派手なフェイスへと変更となりました。これまでよりもメッキのエリアが増え、特にハイウェイスターはギラギラとした高級感を感じさせてくれます。
なお、試乗車ではさらに、ディーラーオプションでフロントバンパープロテクターと、フロントバンパーイルミネーションが装着されています。
注目のトピックは「360度セーフティアシストシステム」を全車標準で装備した点。アダプティブLEDヘッドライトシステム、ハイビームアシスト、インテリジェントエマージェンシーブレーキ、標識検知機能、踏み間違い衝突防止アシスト、インテリジェントLI(車線逸脱防止支援システム)+ LDW(車線逸脱警報)、インテリジェントBSI(後側方衝突防止支援システム)+ BSW(後側方車両検知警報)、RCTA(後退時車両検知警報)など、書ききれないほどに搭載しています。
なお、アラウンドビューモニターはメーカーオプションでの設定です。
良い点①e-POWERドライブは走行フィールが素晴らしい!
e-POWERのウリは「発進時の力強い加速」にあります。e-POWER車に一度乗ってしまうと、普通のガソリン車が古臭く感じてしまうほど、e-POWERは次元が違う走行フィールを持っています。決して軽くはないセレナのボディをすいすいと走らせるため、まるで電車に乗っているかのような感覚すら覚えます。
また、走行時の静粛性が高く「スー」と走り抜ける雰囲気があり、助手席や2列目3列目の乗員にとって、非常に快適な室内となっています。なお、ノートのe-POWERでは激しく聞こえるエンジン発電時のノイズもほぼ聞こえてきません。日産によると、セレナは車体にエンジンノイズの遮音対策をしっかりと行ったそう。その効果は、どなたでも感じていただけるものだと思います。
良い点②視界が良いことで、開放感が素晴らしい!
フロントウィンドウやサイドウィンドウ、そしてAピラー下の小窓まで合わせると、非常に大きなガラスエリアとなっており、開放感が非常に高いです。また、ドライバーの着座位置が高く、上から見下ろすようになる視界となっているため、爽快感を味わうことができます。
しかも、1列目だけでなく、2列目や3列目でも視界は優れており、家族や仲間たちと長距離旅行の際など、セレナはベストチョイスだといえるでしょう。
さて後編では、筆者が感じたセレナの「気になる点」について、指摘していきます。
(エムスリープロダクション 文:吉川賢一/写真:鈴木祐子)