「カプチーノ」じゃなかった! スズキが軽自動車用プラットフォームを利用したSUV「エスプレッソ」をインドで発売

■インドで若者向けに発売する新型SUVモデルはスズキの軽自動車用プラットフォームを活用

スズキのインド子会社マルチ・スズキ・インディア社が小型SUV「S-PRESSO(エスプレッソ)」を発売しました。2段になった台形のフロントグリルなどが、いかにもSUVらしいワイルドな雰囲気です。エスクードなどスズキのSUVヘリテージの延長にあるスタイリングという印象を受けます。

スズキ・エスプレッソ(インド向け)
インドで発売するスズキの新型SUV「S-PRESSO」

さて、この新型SUV「S-PRESSO」は、1.0Lエンジンを搭載するAセグメントのコンパクトカーです。ボディサイズは全長3,565mm×全幅1,520mm×全高1,549~1,564mmとなっています。全長が短いことからも想像できるでしょうが、この新型SUVは新世代プラットフォーム[HEARTECT(ハーテクト)]のKプラットフォームを使っています。Kプラットフォームというのは日本の軽自動車向けに開発されたものですから、軽自動車をベースとしたリッターカーというわけです。

日本の軽自動車市場で鍛えられた専用プラットフォームを利用することで開発資産の有効活用にもなりますし、また軽量な高剛性ボディの実現にもつながります。新世代エンジンとの組み合わせにより、燃費性能やエミッションも高いレベルを達成することができるのです。実際、インドで2020年4月に導入される新しい排ガス規制(BS6)に対応しているということです。

ところで、エスプレッソといえばイタリアンスタイルの濃いめのコーヒーのことですが、かつてスズキには「カプチーノ」というエスプレッソにミルクをプラスしたコーヒーの名前を持つクルマがありました。2シーターオープンのカプチーノとインドで発表されたエスプレッソは似ても似つかないモデルですが、エスプレッソはヤングユーザー向けのモデルという点では共通性を感じます。スズキの新型SUVはインドで若者の心をつかむことができるのでしょうか。

スズキ・カプチーノ
スズキ・カプチーノ(1991)

 

(山本晋也)

この記事の著者

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山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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