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Q1で2位!そして今季の予選最上位の6位を獲得した64号車
9月21日のGT500クラスの予選Q1では、64号車 Modulo Epson NSX-GTも目覚ましい活躍を見せました。
予選Q1の終盤でNo.64 Modulo Epson NSX-GTの牧野任祐選手が1分10秒606を叩き出します。この時点ではなんとトップタイム。Q1のチェッカーと同時にライバルが1分10秒281を出すなどで3番手となりますが、そのチェッカー周で牧野選手はでさらにタイムアップし1分10秒508で2番手に浮上します。
この速さの要因を牧野選手は「タイヤと路面がマッチしていた」と語ります。オートポリス戦と比べてライバルチームのウェイトハンデが半分となる第7戦SUGOですのでウェイトが軽いというのは理由になりづらい状況です。つまりModulo Epson NSX-GTの速さがかなり向上してきた、と捉えるべきでしょう。
Q2はナレイン・カーティケヤン選手が担当。牧野選手のタイムを上回ることはありませんでしたが、それでもこれまでと違った速さを発揮したことにより6番手のタイムでQ2を終え、今シーズンの予選最上位となる6番グリッドからのスタートとなりました。
決勝に向けてのお話を牧野選手にうかがうと「決勝は天候が荒れることが予想されるのでポジションを落とさずにミスなく生き残っていけば順位は後からついてくるでしょう」と語ります。
シーズン終盤になって速さの面で急激に進歩したModulo勢。決勝ではどんな走りを見せてくれるのでしょうか。
64号車、ついに2位で表彰台へ登壇!
予選Q1を2位、そしてQ2を6位という今シーズンの最高位としたGT500クラスの64号車 Modulo Epson NSX-GT。そのスターティンググリッドは3列目の6番グリッドとなります。
スターティンググリッドに並び始める頃に降り出したごく細かい雨でタイヤの選択を迫られ、スターティンググリッドは慌ただしくなっていきます。そんな中、Modulo Epson NSX-GTはレインタイヤを選択。そしてスタートドライバーはナレイン・カーティケヤン選手。
スタート直前に強くなりだした雨のためレースはセーフティーカー(SC)スタートとなります。3周のSCランの後、4周目からレーシングスピードによるレースが始まるとModulo Epson NSX-GTのナレイン・カーティケヤン選手は一つでも順位を上げていこうと果敢に前走者を攻め込みます。しかしウェットのSUGOはかなり難しい様子でスピンを喫してしまい7位となってしまいます。しかしナレイン・カーティケヤン選手は「ウエットのコンディションとタイヤが合っていた」と語っており、調子が上がってきたからこそスピンをするまで攻め込むことが出来たということだったようです。
そして27周目にピットイン。牧野任祐選手に交代します。27周目からしばらくは若干雨量が減り、牧野選手曰く「レインタイヤがオーバーヒート気味」であったといいます。しかし37周目に思わぬ事態が発生。GT500のライバルチームがコースアウトし動けなくなってしまい、39周目にSCが導入されたのです。
「このSCでオーバーヒートしたタイヤを適正まで冷やすことが出来ました」と語る牧野選手。その言葉通りSC解除後の快進撃は凄まじく、水しぶきが上がりウォータースクリーンで視界が全くない状態でも1分21秒台での走行を続けていきます。
気迫のようなものを感じさせる走りは、正直なところ今シーズンの中で初めて見せたものと言えるでしょう。まさに水を得た魚。
そして今季初の表彰台となる2位でチェッカーを受けたのです。中嶋悟総監督はこの2位について「とにかく 2 人のドライバーとメカニックたちの頑張った結果だと思います。言うことなしです!」と語ります。
牧野選手は後半の追い上げについて「雨量が多くなり自分たちにとってアドバンテージがあるコンディションになって天候が自分たちの味方をしてくれました。ずっとマシンのコントロールが難しかったですがそんな中でもいいレースができたので、今できることはしっかりできたと感じています。ここまで苦戦していましたがタイヤの開発をしてきたことがかたちになってよかったと思います」と語ります。
泣いても笑っても次戦はいよいよ最終戦のツインリンクもてぎ。次戦について中嶋総監督は「いい締めくくりをして今シーズンを終えたいですね」と語ります。ここに来て急激に速さを魅せてきたModulo Epson NSX-GTにも注目です。
(写真:吉見幸夫、松永和浩/文:松永和浩)