ボルボ XC90がマイナーチェンジ。自慢の安全装備を強化し、特別仕様車の「XC90 D5 AWD R-Design」も設定【新車】

●日本登場以来初となる内・外装の一部変更も実施。

ボルボの最上級SUVであるXC90が2019年8月23日にフェイスリフトを含むマイナーチェンジを受けています。

ボルボ XC90は、同社の社是ともいえる安全性能へのこだわりはもちろん、電動化や自動運転までも見据えた「スケーラブル・プロダクト・アーキテクチャー(SPA)」プラットフォームにより開発された大型SUVです。

ボルボXC90
2016年のデビュー以来、初となる内・外装のデザインを変更

T字型のトールハンマーヘッドライトを象徴とする新デザインが導入された最初のモデルで、誕生以来、世界で32万台以上販売され、国内でも2016年の導入以降、2019年7月までに、当初の想定を越える3,600台を販売するなど好調に推移しているそうです。

ボルボXC90
新しいフロントグリルが与えられたボルボXC90

2016年の日本デビュー以来、今回が初の内・外装の一部変更になっていて、外観はフロントグリル、前後バンパーが刷新され、新デザインになっています。また、「Excellence」を除き、各グレードのアルミホイールのデザインも変更。

ボルボXC90
ボルボXC90のインパネ

内装では、「T8 Twin Engine AWD」に装備されるオレフォス社製クリスタル・シフトノブに新デザインを採用。また、本革シート、パーフォレーテッド・ファインナッパレザーシートに新色のスレート(グレーカラー)が追加されています。

ボルボXC90
ボルボXC90のインテリア

ボルボがとくにこだわる安全性能、先進安全装備もより強化されています。

今回の一部改良で、City Safety(衝突回避・被害軽減ブレーキシステム)に、「ステアリング・サポート(衝突回避支援機能)」を追加。同機能は、被害軽減ブレーキだけでは衝突を回避できない際に、ステアリング操作を車両がカバーして障害物の回避を支援する安全技術です。

ドライバーのステアリング操作が障害物の回避に不十分と判断すると、適切な操作量を確保できるようにステアリング操作を補助。さらに、前後内輪のブレーキを作動させ、緊急回避操作を安全に行えるように支援する機能も追加されています。

ボルボXC90
衝突回避・被害軽減ブレーキシステムに、「ステアリング・サポート」を追加

ほかにも、衝突回避・被害軽減ブレーキ機能付CTA(クロス・トラフィック・アラート)も追加されています。

こちらは、駐車スペースから後退して出庫する際に安全を確保するための装備で、リヤバンパーに内蔵されたミリ波レーダーによって、接近する車両、歩行者やサイクリストの存在を検知。検知すると警告音でドライバーに知らせるとともに、必要に応じて被害軽減ブレーキを作動させ、衝突の回避または衝突被害の低減をサポート。

さらに、駐車操作を補助する「パーク・アシスト・パイロット」に、被害軽減ブレーキの新機能が追加されています。駐車動作中にセンサーが車両前後の予想進路内で車両や歩行者を検知すると、自動的にブレーキがかかり停止。また、「タイヤ空気圧モニタリングシステム」が標準装備になっています。

ボルボXC90
前後バンパーも新デザインが与えられている

新型XC90のパワートレーンを整理してみましょう。ガソリンおよびディーゼルエンジンモデルは、「T5」、「T6」に加えて、2019年3月に追加導入されたクリーンディーゼルモデルの「D5」、プラグインハイブリットモデルの「T8」と、4種類のバリエーションを設定。

ガソリンの「T5」は、2.0Lの直列4気筒直噴ガソリンターボエンジンで、最高出力187kW(254ps)/ 5,500rpm、最大トルク350Nm(35.7kgm)を1,500rpmから4,800rpmの幅広い回転域で発生します。

ガソリンエンジンでハイパワー版の「T6」は、スーパーチャージャーとターボのダブル過給器により効率よく、高出力を発揮。最高出力235kW(320ps)/ 5,700rpm、最大トルク400Nm(40.8kgm)を2,200rpmから5,400rpmの回転域で生み出すパワーユニット。

ディーゼルエンジンの「D5」は、ボルボのクリーンディーゼルエンジンでもっともパワフルな最高出力173kW(235ps)/最大トルク480Nm(48.9kgm)を発生。さらに、発進を含む低回転域からの加速時に圧縮エアをターボチャージャーに送り込むことでターボラグを低減する「PowerPulse」を組み合わせ、瞬発力が強化されています。

ボルボXC90
T字型のトールハンマーヘッドライトを採用するXC90

最上級の「T8」は、スーパーチャージャーとターボにより最高出力233kW(318ps)、最大トルク400Nm(40.8kgm)を発生する2.0L直列4気筒ガソリンエンジンを搭載。さらに、240Nmのトルクを発生させる高出力モーターをリヤに配置して後輪を駆動。

Hybrid、Pure、Power、AWD、Off Roadなどシチュエーションに合った最適なドライブモードの選択が可能で、2つのパワーソースの組み合わせを最大限に活用して、パワフルかつ効率の良い走りを実現。今回のマイナーチェンジで、駆動用リチウムイオンバッテリーの容量が30Ahから34Ahに拡大され、EV走行距離が向上しています。

さらに、特別仕様車の「XC90 D5 AWD R-Design」が設定されています。「XC90 D5 AWD」に、スポーティグレード「R-Design」を特別仕様車として追加されたもので、フロントグリルをはじめ前後バンパー(グロッシーブラック・トリム)、スポーツシートやカーボンファイバー・パネル、新デザインの22インチアルミホイールなどの専用デザイン、専用設計のアイテムが用意されています。

XC90の価格帯は7,990,000円〜13,536,112円。なお、「D5 AWD R-Design」/「T8 Twin Engine AWD」の納車は2019年10月以降となるため、消費税が10%になります。

(塚田勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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