ステア・バイ・ワイヤー、ピュアガソリンエンジン、プロパイロット2.0だけじゃない新型スカイラインの進化と魅力は?【新型SKYLINE試乗】

●「日産」スカイラインが復活。随所に磨きをかけ、大幅な進化を遂げる

2019年7月のマイナーチェンジによって、手放し運転が可能なプロパイロット2.0を採用したスカイラインですが、プロパイロット以外の部分も大きな進化を果たしました。

スカイライン 正面スタ言い
Vモーショングリルに日産エンブレムが装着されたフロントスタイル

乗り味も進化をしたのですが、それ以上にうれしいことが2つあります。ひとつはフロントに装着されるエンブレムがそれまでのインフィニティから日産エンブレムになったこと。もうひとつは丸形テールランプの復活です。

小学生のころ、「ケンメリスカイライン」にあこがれていた世代にとって、このふたつがなくなっていたのは、スカイラインがなくなっていたと同じ意味を持っていました。このふたつが復活したことは、スカイラインが戻ってきたことと同じ意味を持ちます。

スカイライン 丸形テールランプ
スカイラインらしい丸形のテールランプ
ケンメリスカイライン
72年に発売されたケンメリスカイライン。4ドアはヨンメリとも呼ばれた (写真:日産自動車)
スカイライン 真後ろスタイリング
ハイデッキなリヤスタイル

今回試乗してまず第一に感じたのは、ステアリングフィールの改善。スカイラインは「ダイレクトアダプティブステアリング」の名で呼ばれるステア・バイ・ワイヤーを採用しています。これはステアリングホイール(ハンドル)と、ステアリング機構(タイヤを切る部分)を切り離して電子制御するものです。

採用当初はドライバーの操作と、クルマの動きにズレがあり違和感を感じたのですが、現在のものはそれをほとんど感じなくなっていました。操舵初期のレスポンスをよく、中低速の過敏さを抑えるセッティングとアナウンスされていますが、まさにそのセッティングが生かされている印象でした。

スカイライン インパネ
端正なレイアウトを採用するインパネ
スカイライン フロントシート
上級グレードのPとSPは革シートが標準装備

また、今回ピュアガソリンエンジンも変更を受けています。写真を撮影する時間は取れなかったのですが、試乗は叶いました。従来のピュアガソリンエンジンは、ダイムラー(ベンツ)製の2リットル直列4気筒ターボでしたが、新しく搭載されたエンジンは日産製の3リットルV6ツインターボとなりました。これによりスペックは211ps/350Nmから304ps/400Nmにアップしています。

スカイライン V6エンジン
日産製となったV6エンジン ツインターボ仕様となる(写真:日産自動車)

その効果は絶大です。従来型2リットルターボも低速からしっかりとトルクを出し、乗りやすいフィーリングでしたが、新しい3リットルターボは下からトルクがあり、それが高回転まで持続します。これはなかなかの気持ちよさと言えます。

スカイライン V6 スタイル
ピュアエンジンモデルのV6ターボ GTタイプP(写真:日産自動車)

従来のピュアガソリンエンジンモデルはステアリングが機械式で、そのフィーリングも気に入ってのですが、今回はステア・バイ・ワイヤーの性能がアップしたことも好印象となった要因のひとつでしょう。

スカイライン 前7/3スタイリング
スッキリしたスタイリングはスポーツセダンらしいもの
スカイライン エンブレム
日産エンブレムが装着されたグリル

(文/写真・諸星陽一)

この記事の著者

諸星陽一 近影

諸星陽一

1963年東京生まれ。23歳で自動車雑誌の編集部員となるが、その後すぐにフリーランスに転身。29歳より7年間、自費で富士フレッシュマンレース(サバンナRX-7・FC3Sクラス)に参戦。
乗って、感じて、撮って、書くことを基本に自分の意見や理想も大事にするが、読者の立場も十分に考慮した評価を行うことをモットーとする。理想の車生活は、2柱リフトのあるガレージに、ロータス時代のスーパー7かサバンナRX-7(FC3S)とPHV、シティコミューター的EVの3台を持つことだが…。
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