二兎どころか三兎を得た、フォルクスワーゲン・アルテオン【注目モデルとドライブデート!? Vol.14】

●「見た目のクルマだけかと思ったら、そうじゃないんだね」

「あれ、セダンじゃないんだ」

荷物を積み込もうとテールゲートを開けたとき、ふと彼女がつぶやいた。続けて「ワゴンみたいだね」と言う彼女の印象は、正解である。

アルテオン11
フォルクスワーゲン・アルテオン

ジャンルとしては「セダン」に分類するアルテオンだけど、正確にいうとボディ形状はセダンではなく「5ドアハッチバック」。セダンは居住スペースと完全に分離したトランクを持つが、ハッチバックは荷室が居住スペースとつながっていて、トランクリッドではなくテールゲートが大きく開くのだ。

アルテオンのテールゲート
テールゲートを開けると……
リアビューカメラ
リアビューカメラも装備される
控えめなウィング
トランクには控えめなウィングが

それにしても、アルテオンのラゲッジスペースは広い。ドイツ自動車工業会(VDA)が定めた測定方法だと563Lあり、これはDセグメントセダンの中ではトランクの広さ自慢のアウディ「A4」の480Lを大きくしのぐどころか、そのステーションワゴンである「A4アバント」の505Lさえも上回るのだから驚くほかない。

アルテオン21
流麗なサイドビュー

もちろんメルセデス・ベンツ「Cクラスステーションワゴン」の450リッターやBMW「3シリーズツーリング」の495リッターよりも広いのだ。

アルテオン荷室
アルテオンの荷室
トランクスルー
トランクスルーも可能

もちろんこの数字は後席背もたれ付近までの高さが基準なので、それ以上まで荷物を積み上げる状況ではステーションワゴンの強みが活きてくる。とはいえアルテオンは見た目がスポーティなのに加えて、これだけのラゲッジスペースを持つのだからまさに「才色兼備」といったところ。

ワゴンのよう
リアシートを倒せばワゴンのよう

さらに後席を倒せば床面に大きな段差がないステーションワゴンのような空間になるのも“純粋なセダン”には真似のできない芸当(最大1557L)。冗談抜きに、自転車を積むのも楽勝だ。それに、開口部が広いから大きな荷物も積み下ろししやすい。なんと実用的な車なのだろうか。

この記事の著者

ダン・アオキ 近影

ダン・アオキ

15年ほど勤めた出版社でリストラに遭い、2010年から強制的にフリーランスに。自ら企画し編集もこなすフォトグラファーとして、女性誌『GOLD』、モノ雑誌『Best Gear』、カメラ誌『デジキャパ!』などに寄稿していましたが、いずれも休刊。
諸行無常の響きあり。主に「女性と車」をテーマにした写真を手がけ、『clicccar』では「注目モデルでドライブデート」の撮影をさせていただいております。感謝。
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