永遠のレース小僧・井出有治が新チーム立ち上げをサポート、まずはポルシェPSCJ参戦でレース界に新風を!【PSCJ Rd.9 8/24鈴鹿】

■「718ケイマンGT4クラブスポーツ」で井出有治、人生初のポルシェレースに参戦!

・長年のレース人生から得た見識を活かし、ドライバーだけではなくアドバイサーとしても新チームをサポート

2006年にはF1へも果敢に挑戦し、人気投票をすれば1位に輝く人気イケメン・レーサーであり、また現在では我がclicccarでテストドライバーとしても活躍頂いている井出有治さんは、誰もが認めるトップクラスのレーシングドライバーのひとりです。

2003年人気ランキング表
2003年、オートスポーツ誌で行った第1回ドライバー人気ランキングで1位に輝きました!

今年2019年は参戦6年目となる韓国トップカテゴリーの「CJ LOGISTICS SUPERRACE CHAMPIONSHIP」のASA6000クラスで上位争いを繰り広げているものの、日本国内のレースには未参戦(正確には4月14日「ALL JAPAN EV-GP SERIES」の第1戦「全日本 富士EV 40kmレース大会」にclicccarのゴリ押しで参戦しました!)。ファンにとっては日本のサーキットで走る井出有治選手を応援できないというのは、ちょっと…いや大分寂しい感がありますよね。

MFF時のEVレース
2019年はEVレースにMIRAIで参加した1戦のみ、でした。

そんな中、来る2019年8月24日(土)、鈴鹿サーキットで行われる「2019 第48回サマーエンデュランス『BH オークション SMBC 鈴鹿10時間耐久レース』」(鈴鹿10H/8月22~25日)のサポートレースとして行われる「ポルシェ スプリント チャレンジ ジャパン(PSCJ) Rd.9」に急遽、エントリーする!という朗報が飛び込んできました!

PSCJとは、ジェントルマンドライバー(プロに近いアマチュアドライバー)がエントリーしやすいカテゴリーとして、またその上のポルシェ・カレラカップ・ジャパン(PCCJ)へのステップアップ・カテゴリーとしてポルシェ・モータースポーツが公認、サポートするレース。2019年現在は世界8ヵ国で熱い戦いが繰り広げられているそうです。

ケイマンGT4クラブスポーツ
2019年からスタートした718ケイマンGT4クラブスポーツによるレースです。

PSCJのクラス分けは、911GT3カップのType991「GT3-I」クラス、Type997「GT3-II」クラス、Type997、996他車両の中でPCCJの認定車両「オープン」クラス、そして2019年式718ケイマンGT4クラブスポーツの「GT4」クラスと、チョ~大雑把に言うとこの4クラスの混走になります。

井出さんが参戦するのは、「GT4」クラス。「参加決定はレースの1ヵ月前!」(井出)と超バタバタ?での参戦表明です。では、このレースのこと、チームのこと等々、井出有治さんにお聞きしましょう!

■縁が繋いだ新チーム。ドライバーとして、アドバイサーとして、出来ることのすべてをサポートしていきます!(井出)

GT4のカラーリング、上から
ゼッケンは10番、カラーリングもカッコイイでしょ!?

【ポルシェ スプリント チャレンジ ジャパン Rd.9 in 鈴鹿サーキット】
参戦レース:ポルシェ スプリント チャレンジ ジャパン2019シリーズ
チーム名称:FIELD MANAGEMENT RACING
車両名:FIELD MANAGEMENT Cayman GT4
ゼッケン:#10
ドライバー:井出 有治

clicccar(以下cli):まずは、この新チームが誕生したきっかけを教えてください。

井出:チームオーナーである「フィールドマネージメント」の代表取締役・並木裕太さんとは、お互いの共通の知人を介して知り合いました。去年2018年の暮れだったかな。並木さんは大企業の戦略コンサルタントを手広くやられていて、プロ野球ではパ・リーグのリーグビジネスやチームビジネスを、サッカーのJリーグでは理事も務められていたりと、スポーツ界でも活躍されているんだけど、モータースポーツの世界にはまったく関わってきていなかったそうです。

並木氏(左)と井出選手
並木さんのビジネスセンスを活かし、今後モータースポーツ界でどんな活躍をしてくれるか? 楽しみです。

cli:じゃ、そのモータースポーツの世界に井出さんが引きずり込んだ!?

井出:ボクが!ってワケじゃないけどね(笑)。並木さんは元々クルマが好きで、ポルシェGT3に乗っていたり。で、たまに会って食事をしたりする中で、モータースポーツの世界を教えて欲しい!っていうことで、ボクが経験してきたことを話したり。

cli:レーシングチームを新設するって、レースやクルマが好きなだけじゃなかなか、ねぇ?

井出:今年2019年は、フィールドマネージメントの会社設立10周年なんです。その記念としてなにか新しいことをスタートさせたい…。そこで、モータースポーツへ参画したんです。この10年間、並木さんがいろんなスポーツ界にビジネスとして関わり培ってきたものを、今度は新しい自分の可能性としてモータースポーツの世界でも何かできないか? 好きなクルマ、モータースポーツを楽しみながらどれだけできるか?ってね。モータースポーツ・ビジネスってある意味、他のスポーツとはちょっと違うじゃない。並木さんもこの世界を外から見ていて、『なんでモータースポーツ界はもっと伸びないのかな?』って考えていたそうです。

テスト中の井出選手
ポルシェでは先輩になる小河諒選手からアドバイスをもらいました。

cli:そしてスタートしたのがポルシェでのレース! でも、なぜPSCJを?

井出:いろんなモータースポーツの中でマシンをポルシェに決めたのは、並木さんと付き合いのあるポルシェ・ジャパンからオファーがあったからです。2019年6月16日、FSWで小河諒選手が優勝したときのPCCJレースを並木さんがたまたま観に行っていて、テンションが上がっているときにポルシェ・ジャパンが「GT4でレースしましょ!」って。勢いって大切だよね!(笑) そこから始まって、レースをやるって決めて、マシンを買って、納車されて…が7月中~下旬。マジ1ヵ月無い時間でのレース準備!

FSWのシェイクダウン・テスト
酷暑の中、シェイクダウン・テストが行われました。

cli:今後のレース活動としてはやはりポルシェでいくんですか?

井出:今度のPSCJ鈴鹿レースが2019年の最終戦。来年2020年もPSCJのGT4クラスでレースを1年間やりますが、その後レース活動を続けるのか?は未定です。

cli:ドライバーは引き続き井出さんが乗られるんですか?

井出:ン~それもまだ未定です。でもね、ボクが乗らないまでも、意気投合している並木さんのフィールドマネージメントが関わるレース活動なら、ボクはアドバイザーとして一緒に面白いことができればな!って思っています。並木さんってね、地元(埼玉)が一緒なんですよ、歳は2コ下だけど、なにか縁を感じるんですよね!

GT4のカラーリング、横から
横から見たカラーリングはこんな感じです。

■ミッドシップの3.8L水平対向6気筒NAマシンは…遅いけど楽しい!

・完全ワンメイクだから、イジれるところはほぼアライメントのみ

cli:8月8-9日の2日間、シェイクダウン・テストを富士スピードウェイで行いましたけど、マシンの仕上がり具合はどうですか?

井出:最初はね、納車されてそのままブッツケ本番で鈴鹿へ!って言われたんだけど、イヤ~GT4でノーマルカーに近いからといっても一応レーシングカー。初期トラブルが出ても恐いしブッツケはサスガにヤバいでしょ!ってことで、FSWでシェイクダウン・テストをしたんです。

FSWでのシェイクダウンテスト
2日間のシェイクダウン・テストで手ごたえは、あり!

cli:井出さん、意外なんですけどポルシェって初レースですよね?

井出: GT3のカップカーはテストで走ったことはあるけど、レースは初。GT4はミッドシップ(MR)なのでGT3のRRに比べたらリヤヘビーじゃないし、重心がクルマのセンターに近いので、ウエイトバランスはとってもニュートラル。

セッティングといってもトーやキャンバーなどのアライメント的なことだけ。あとはダンパーの減衰力(3段階)くらい。ブレーキパッドや車高も変えられないし、スプリングも巻き上げての調整くらい。スタビも角度調整で固いか柔らかいかだけで交換もできない。まぁジェントルマンドライバーのためのレースだからコストを押さえましょ!っていうこと。

cli:混走するGT3-IやIIとの差はどれくらいなんですか?

井出:GT4は3.8L・6気筒NAで425psと、パワー的にはまぁそんなものだろうけど、FSWのストレートは暇なくらい…遅い! 重量配分のバランスは良いけど、車重が1320kgもあるのでとにかく重いな!っていうのがファーストインプレッション。あと100kgくらい軽くなればな~。その重さから止まらない・曲がらないのが気になるけど、それ以外のミッションとかは凄い良くできていますよ。

GT4のカラーリング、前後
顔とオシリはこんな感じになります。

ラップタイム的に見るとGT3と比べ200psくらいの差があるから、FSWだと5~6秒違うんです。また、同じGT4は他に2台エントリーしていて、同じFSWで比べると、路面温度が20度近く高い状態で、この間のシェイクダウンでのボクのタイムは、他2台に比べて1秒落ちくらい。悪くは無いんじゃないかな!? 今のセッティングが鈴鹿に合うかどうかは23日の練習走行で走ってみないと何とも言えないけど、鈴鹿の走り方は知ってるから!

酷暑の中でのシェイクダウン・テスト
アクセル・オフ時のみエアコンから冷風が出ます。どういうシステムなんだろ? でも真夏のレースでこの冷風はありがたいデス!

cli:では最後に、鈴鹿レース、チームの今後への意気込みを!

井出:とにかくボクはサーキットを走るのが好きなので、今度の鈴鹿はとっても楽しみです!…クルマはちょ~っと物足らないけどネ!!

チームも、並木さんという「人」はいろんなドデカいことをやってきた方なので、そんな並木プロジェクトから今後、どんなアイデアが出てくるのか?も楽しみ。WECを目指す!なんてことになったら面白そうじゃない!!

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井出有治選手が参戦する「ポルシェ スプリント チャレンジ ジャパン Rd.9 in 鈴鹿サーキット」は、2019年8月24日(土)に予選(10:35~)/決勝(16:20~)です。「永遠のレース小僧」井出有治+新チーム「FIELD MANAGEMENT RACING」プロジェクトのスタート! ぜひ鈴鹿へ応援に来てくださいネ!

【SPECIFICATIONS】
ポルシェ 718 ケイマン GT4 クラブスポーツ
ボディサイズ:全長4456 全幅1778 全高1238mm
ホイールベース:2456mm
車両重量:1320kg
エンジン:水平対向6気筒DOHC
総排気量:3800cc
ボア×ストローク:102×77.5mm
圧縮比:12.5
最高出力:313kW(425ps)/7500rpm
最大トルク:425Nm/6600rpm
最高回転数:7800rpm
マネージメントシステム:Continental SDI 9
潤滑システム:インテグレーテッド ドライサンプ
トランスミッション:6速DCT(PDK)
駆動方式:RWD
サスペンション形式:前後マクファーソンストラット
ブレーキ:前後ベンチレーテッドディスク
ディスク径:前後380mm
キャリパー:前6 後4ピストン(レーシングキャリパー)
タイヤサイズ(リム幅):前25/64-18(9J)後27/68-18(10.5J)

(レポート:永光 やすの/画像:永光 やすの・オートスポーツ)

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https://clicccar.com/2019/08/19/904500/

【関連リンク】

井出有治オフィシャルサイト:yuji-ide.com
https://www.yuji-ide.com/

ポルシェ スプリント チャレンジ ジャパン
https://www.porsche.co.jp/ms/pscj/

レースとクルマの電子雑誌書店 ASB電子雑誌書店
https://www.as-books.jp/

この記事の著者

永光やすの 近影

永光やすの

「ジェミニZZ/Rに乗る女」としてOPTION誌取材を受けたのをきっかけに、1987年より10年ほど編集部に在籍、Dai稲田の世話役となる。1992年式BNR32 GT-Rを購入後、「OPT女帝やすのGT-R日記」と題しステップアップ~ゴマメも含めレポート。
Rのローン終了後、フリーライターに転向。AMKREAD DRAGオフィシャルレポートや、頭文字D・湾岸MidNight・ナニワトモアレ等、講談社系車漫画のガイドブックを執筆。clicccarでは1981年から続くOPTION誌バックナンバーを紹介する「PlayBack the OPTION」、清水和夫・大井貴之・井出有治さんのアシスト等を担当。
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