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■「718ケイマンGT4クラブスポーツ」で井出有治、人生初のポルシェレースに参戦!
・長年のレース人生から得た見識を活かし、ドライバーだけではなくアドバイサーとしても新チームをサポート
2006年にはF1へも果敢に挑戦し、人気投票をすれば1位に輝く人気イケメン・レーサーであり、また現在では我がclicccarでテストドライバーとしても活躍頂いている井出有治さんは、誰もが認めるトップクラスのレーシングドライバーのひとりです。
今年2019年は参戦6年目となる韓国トップカテゴリーの「CJ LOGISTICS SUPERRACE CHAMPIONSHIP」のASA6000クラスで上位争いを繰り広げているものの、日本国内のレースには未参戦(正確には4月14日「ALL JAPAN EV-GP SERIES」の第1戦「全日本 富士EV 40kmレース大会」にclicccarのゴリ押しで参戦しました!)。ファンにとっては日本のサーキットで走る井出有治選手を応援できないというのは、ちょっと…いや大分寂しい感がありますよね。
そんな中、来る2019年8月24日(土)、鈴鹿サーキットで行われる「2019 第48回サマーエンデュランス『BH オークション SMBC 鈴鹿10時間耐久レース』」(鈴鹿10H/8月22~25日)のサポートレースとして行われる「ポルシェ スプリント チャレンジ ジャパン(PSCJ) Rd.9」に急遽、エントリーする!という朗報が飛び込んできました!
PSCJとは、ジェントルマンドライバー(プロに近いアマチュアドライバー)がエントリーしやすいカテゴリーとして、またその上のポルシェ・カレラカップ・ジャパン(PCCJ)へのステップアップ・カテゴリーとしてポルシェ・モータースポーツが公認、サポートするレース。2019年現在は世界8ヵ国で熱い戦いが繰り広げられているそうです。
PSCJのクラス分けは、911GT3カップのType991「GT3-I」クラス、Type997「GT3-II」クラス、Type997、996他車両の中でPCCJの認定車両「オープン」クラス、そして2019年式718ケイマンGT4クラブスポーツの「GT4」クラスと、チョ~大雑把に言うとこの4クラスの混走になります。
井出さんが参戦するのは、「GT4」クラス。「参加決定はレースの1ヵ月前!」(井出)と超バタバタ?での参戦表明です。では、このレースのこと、チームのこと等々、井出有治さんにお聞きしましょう!
■縁が繋いだ新チーム。ドライバーとして、アドバイサーとして、出来ることのすべてをサポートしていきます!(井出)
【ポルシェ スプリント チャレンジ ジャパン Rd.9 in 鈴鹿サーキット】
参戦レース:ポルシェ スプリント チャレンジ ジャパン2019シリーズ
チーム名称:FIELD MANAGEMENT RACING
車両名:FIELD MANAGEMENT Cayman GT4
ゼッケン:#10
ドライバー:井出 有治
clicccar(以下cli):まずは、この新チームが誕生したきっかけを教えてください。
井出:チームオーナーである「フィールドマネージメント」の代表取締役・並木裕太さんとは、お互いの共通の知人を介して知り合いました。去年2018年の暮れだったかな。並木さんは大企業の戦略コンサルタントを手広くやられていて、プロ野球ではパ・リーグのリーグビジネスやチームビジネスを、サッカーのJリーグでは理事も務められていたりと、スポーツ界でも活躍されているんだけど、モータースポーツの世界にはまったく関わってきていなかったそうです。
cli:じゃ、そのモータースポーツの世界に井出さんが引きずり込んだ!?
井出:ボクが!ってワケじゃないけどね(笑)。並木さんは元々クルマが好きで、ポルシェGT3に乗っていたり。で、たまに会って食事をしたりする中で、モータースポーツの世界を教えて欲しい!っていうことで、ボクが経験してきたことを話したり。
cli:レーシングチームを新設するって、レースやクルマが好きなだけじゃなかなか、ねぇ?
井出:今年2019年は、フィールドマネージメントの会社設立10周年なんです。その記念としてなにか新しいことをスタートさせたい…。そこで、モータースポーツへ参画したんです。この10年間、並木さんがいろんなスポーツ界にビジネスとして関わり培ってきたものを、今度は新しい自分の可能性としてモータースポーツの世界でも何かできないか? 好きなクルマ、モータースポーツを楽しみながらどれだけできるか?ってね。モータースポーツ・ビジネスってある意味、他のスポーツとはちょっと違うじゃない。並木さんもこの世界を外から見ていて、『なんでモータースポーツ界はもっと伸びないのかな?』って考えていたそうです。
cli:そしてスタートしたのがポルシェでのレース! でも、なぜPSCJを?
井出:いろんなモータースポーツの中でマシンをポルシェに決めたのは、並木さんと付き合いのあるポルシェ・ジャパンからオファーがあったからです。2019年6月16日、FSWで小河諒選手が優勝したときのPCCJレースを並木さんがたまたま観に行っていて、テンションが上がっているときにポルシェ・ジャパンが「GT4でレースしましょ!」って。勢いって大切だよね!(笑) そこから始まって、レースをやるって決めて、マシンを買って、納車されて…が7月中~下旬。マジ1ヵ月無い時間でのレース準備!
cli:今後のレース活動としてはやはりポルシェでいくんですか?
井出:今度のPSCJ鈴鹿レースが2019年の最終戦。来年2020年もPSCJのGT4クラスでレースを1年間やりますが、その後レース活動を続けるのか?は未定です。
cli:ドライバーは引き続き井出さんが乗られるんですか?
井出:ン~それもまだ未定です。でもね、ボクが乗らないまでも、意気投合している並木さんのフィールドマネージメントが関わるレース活動なら、ボクはアドバイザーとして一緒に面白いことができればな!って思っています。並木さんってね、地元(埼玉)が一緒なんですよ、歳は2コ下だけど、なにか縁を感じるんですよね!
■ミッドシップの3.8L水平対向6気筒NAマシンは…遅いけど楽しい!
・完全ワンメイクだから、イジれるところはほぼアライメントのみ
cli:8月8-9日の2日間、シェイクダウン・テストを富士スピードウェイで行いましたけど、マシンの仕上がり具合はどうですか?
井出:最初はね、納車されてそのままブッツケ本番で鈴鹿へ!って言われたんだけど、イヤ~GT4でノーマルカーに近いからといっても一応レーシングカー。初期トラブルが出ても恐いしブッツケはサスガにヤバいでしょ!ってことで、FSWでシェイクダウン・テストをしたんです。
cli:井出さん、意外なんですけどポルシェって初レースですよね?
井出: GT3のカップカーはテストで走ったことはあるけど、レースは初。GT4はミッドシップ(MR)なのでGT3のRRに比べたらリヤヘビーじゃないし、重心がクルマのセンターに近いので、ウエイトバランスはとってもニュートラル。
セッティングといってもトーやキャンバーなどのアライメント的なことだけ。あとはダンパーの減衰力(3段階)くらい。ブレーキパッドや車高も変えられないし、スプリングも巻き上げての調整くらい。スタビも角度調整で固いか柔らかいかだけで交換もできない。まぁジェントルマンドライバーのためのレースだからコストを押さえましょ!っていうこと。
cli:混走するGT3-IやIIとの差はどれくらいなんですか?
井出:GT4は3.8L・6気筒NAで425psと、パワー的にはまぁそんなものだろうけど、FSWのストレートは暇なくらい…遅い! 重量配分のバランスは良いけど、車重が1320kgもあるのでとにかく重いな!っていうのがファーストインプレッション。あと100kgくらい軽くなればな~。その重さから止まらない・曲がらないのが気になるけど、それ以外のミッションとかは凄い良くできていますよ。
ラップタイム的に見るとGT3と比べ200psくらいの差があるから、FSWだと5~6秒違うんです。また、同じGT4は他に2台エントリーしていて、同じFSWで比べると、路面温度が20度近く高い状態で、この間のシェイクダウンでのボクのタイムは、他2台に比べて1秒落ちくらい。悪くは無いんじゃないかな!? 今のセッティングが鈴鹿に合うかどうかは23日の練習走行で走ってみないと何とも言えないけど、鈴鹿の走り方は知ってるから!
cli:では最後に、鈴鹿レース、チームの今後への意気込みを!
井出:とにかくボクはサーキットを走るのが好きなので、今度の鈴鹿はとっても楽しみです!…クルマはちょ~っと物足らないけどネ!!
チームも、並木さんという「人」はいろんなドデカいことをやってきた方なので、そんな並木プロジェクトから今後、どんなアイデアが出てくるのか?も楽しみ。WECを目指す!なんてことになったら面白そうじゃない!!
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井出有治選手が参戦する「ポルシェ スプリント チャレンジ ジャパン Rd.9 in 鈴鹿サーキット」は、2019年8月24日(土)に予選(10:35~)/決勝(16:20~)です。「永遠のレース小僧」井出有治+新チーム「FIELD MANAGEMENT RACING」プロジェクトのスタート! ぜひ鈴鹿へ応援に来てくださいネ!
【SPECIFICATIONS】
ポルシェ 718 ケイマン GT4 クラブスポーツ
ボディサイズ:全長4456 全幅1778 全高1238mm
ホイールベース:2456mm
車両重量:1320kg
エンジン:水平対向6気筒DOHC
総排気量:3800cc
ボア×ストローク:102×77.5mm
圧縮比:12.5
最高出力:313kW(425ps)/7500rpm
最大トルク:425Nm/6600rpm
最高回転数:7800rpm
マネージメントシステム:Continental SDI 9
潤滑システム:インテグレーテッド ドライサンプ
トランスミッション:6速DCT(PDK)
駆動方式:RWD
サスペンション形式:前後マクファーソンストラット
ブレーキ:前後ベンチレーテッドディスク
ディスク径:前後380mm
キャリパー:前6 後4ピストン(レーシングキャリパー)
タイヤサイズ(リム幅):前25/64-18(9J)後27/68-18(10.5J)
(レポート:永光 やすの/画像:永光 やすの・オートスポーツ)
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https://clicccar.com/2019/08/19/904500/
【関連リンク】
井出有治オフィシャルサイト:yuji-ide.com
https://www.yuji-ide.com/
ポルシェ スプリント チャレンジ ジャパン
https://www.porsche.co.jp/ms/pscj/
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https://www.as-books.jp/