スペインでクラッシュした井出有治、女性救命士から受けたセクハラ事件とは!?&ポルシェ初レース(8/24鈴鹿)の応援ヨロシク!【井出有治の忘れ難い話】

元F1レーサー&clicccarテストドライバーの井出有治さんから愛車の話、笑える話、記憶深い話、忘れたい話(?)等々をお聞きしている「井出有治の○○3選」。今回からは「3選」にとらわれず、トップクラスのレーシングドライバーが体験してきたいろんなことを暴露してもらうことに!

まず最初の今回は、タイトルからして「なんだソレ?」ですよね(汗)。2003年、井出さんがF3からフォーミュラ・ニッポン(FN)へステップアップした最初の年、COSMO OIL TEAM CERUMOから参戦です。また全日本GT選手権(JGTC/後のS-GT) GT500クラスにTEAM IMPULからR34 GT-Rで参戦していました。井出さん28歳です。そんなFNルーキー・イヤーに、テストで訪れたスペインで女性救急士からセクハラを受けたうえに、1週間に3回も救急車のお世話になった!という体験談です。(clicccar:永光 やすの)

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■フォーミュラ・ニッサンのテストで走ったスペイン・カタロニア・サーキットで大クラッシュ→救急車で運ばれたら…!

・スペインの女性救命士って超大胆でワケ分かんない(泣)

フォーミュラ・ニッサン井出号
2周しか走れなかったので、この画像は奇跡ですね!

1998~2004年の間、スペインのトップフォーミュラとして開催されていた「ワールドシリーズ バイ ニッサン(World Series by Nissan/通称というか分かりやすく言うとフォーミュラ・ニッサン[Fórmula Nissan])」。

フォーミュラ・ニッサンのリヤビュー
F1への登竜門として行われていたカテゴリー、それがフォーミュラ・ニッサンです。

このレース、2005年からは「フォーミュラ・ルノー3.5」に移行しましたが、当時はF1へのステップアップとして注目されていたカテゴリーで、フェルナンド・アロンソ(1999年)やヘイキ・コバライネン(2004年)などもシリーズ優勝をしたというレースでした。ボクが乗った2003年当時は3000cc・V6のVQ30DEエンジンとダラーラ製のシャシーでしたね。

フォーミュラ・ニッサンのエンジン
エンジンはニッサンVQ30DEです。

そんなマシンのテストをしに、スペインのカタロニア・サーキットへ本山哲選手、リチャード・ライアン選手と3人で行った2003年8月のこと…。

1コーナー~2コーナー~そして高速の3コーナー…コースを憶えるために少しずつペースを上げようと様子を見ながら走っていたら、アクセルが戻らず(データにも記録されていました)2列か3列くらいあるタイヤバリアに当たった後にコンクリートウォールへドーーーン!! で、跳ね返ってしまうという大クラッシュでした。

スペインの救急車
日本のと似ているスペインの救急車です。この中で行われたセクハラとは…!?(※画像はイメージです!)。

当然、救急車で運ばれたのですが、ボクは全身が強烈なムチ打ち状態。点滴の針を手首辺りに入れようとする女性救命士さん。それがまたヘタクソで、ぶっとい針がなかなか入らず、グリグリ刺された途端にブヮ~!と大出血!! もうそれだけでもヘロヘロ…。女性救命士さんは意識確認や介抱をしてくれているのか、ボクの額や頬、身体を撫でていました。

病院での検査の結果、ムチ打ち状態は酷いものの骨や脳には異常がなくサーキットへ戻ることに。その時、通訳として日産の某Wさんのお嬢さんがスペインに留学中とのことで、救急車に同乗し病院まで付いてきてくれていました。そのWさんと病院からの帰りの会話です…。

Wさん「井出さん、大丈夫でしたか?」

ボク「イヤ~、点滴失敗されて大出血もしちゃったし全身が痛いし、大丈夫じゃないです~(泣)」

Wさん「イヤそうじゃなくって、女性救命士さんが『あら~綺麗な身体してるわね~!』って言いながら井出さんの全身をずっと触ってたんですけど、大丈夫でしたか?」

ボク「はぁ~!? アナタ通訳でしょ! なんでその時に言ってくれなかったの!! 全身撫でまくってたのってそ~いうことだったの!? まったく大丈夫じゃないです~~~!」

井出選手の裸体?
まぁ女性なら撫でたくなるようなたくましい筋肉です…!?

も~ビックリでした。ボクは介抱されていたんじゃなく、女性救命士さんからセクハラを受けていたなんて…。上半身だけでしたからアッチのほうは大丈夫でしたけど…! それにしてもスペインの女性って…大胆ですね。

オートスポーツ誌の記事
帰国後、セクハラ救急車に遭遇したとは思えない、さわやかなオートスポーツ誌記事です。(2003年9月11日号)

■スペインから帰国後、外環道であてられ救急車~数日後はフォーミュラ・ニッポンでクラッシュ→救急車

・1週間に3回の救急車乗車は記録モノ!?

日本の救急車
1週間後、また日本で救急車に乗るとは、それも2回…!

そんな衝(笑?)撃的なスペインから首にコルセット付きで帰国後、今度は外環道でハイエースにあてられ救急車のお世話に…(コレはそんな大したことは無かったです)。

富士スピードウェイのFNレース
この数周後のAコーナーで、土手に突っ込んで救急車です(涙)。

そのまた数日後に走ったフォーミュラ・ニッポン第7戦の富士スピードウェイ。急なドシャ降りはドライタイヤではどうしようもなく、Aコーナー200km/hオーバー…ハイドロに乗ってスパーン!とブッ飛んでリヤから土手に突っ込んでしまい、また救急車のお世話に…。

続くときは続くものです。皆さんもサーキットはもとより一般道でも「救急車の連続乗車」にはお気を付け下さいね!(井出 有治)

 

【ポルシェ スプリント チャレンジ ジャパン Rd.9 in 鈴鹿サーキット】

■なんと! 初チャレンジのNEWレーシングチームで自身初のポルシェ・レースに参戦! 久々の鈴鹿、楽しみです~!!

・2019年8月24日(土)は鈴鹿サーキットへ!(鈴鹿10Hサポートレース)

2019年は韓国で開催されている「2019 CJ LOGISTICS SUPERRACE CHAMPIONSHIP」のASA6000クラスに参戦していますが、日本国内ではまだレースをしていません…と思ったら、clicccarやすのさん曰く「モーターファン・フェスタで走った『全日本EVレース選手権』もJAF戦!」ってことで、2019年はその1戦のみなんですね。

で、なんと! 今週末の2019年8月24日(土)、鈴鹿サーキットで行われる「2019 第48回サマーエンデュランス『BH オークション SMBC 鈴鹿10時間耐久レース』」(鈴鹿10H/8月22~25日)のサポートレースとして行われる「ポルシェ スプリント チャレンジ ジャパン Rd.9」に急遽、エントリーすることが決定しました~。

ポルシェGT4のカラーリング
井出選手、意外にもポルシェでレースをするのが初なんですって!

・チーム:「FIELD MANAGEMENT RACING」
・車両名:「FIELD MANAGEMENT Cayman GT4」
・ゼッケン:#10

「フィールドマネージメント・レーシングってナニ?」そう、聞いたことないでしょ!?

このポルシェ・レースが初レースとなる新チームで、参戦も決定してから1ヵ月経っていなく、ボクが乗ることが決定したのもつい先日なんです。8月8-9日の2日間、富士スピードウェイでシェイクダウンを行い、ボク自身、走らせかたもなんとなく分かった感じ。なにせポルシェでレースするのって初めてなんですよ~! まぁケイマンはRRじゃなくMRなのでバランスもいいし楽しいです…スピードは遅いけど!

テストをする井出有治選手
テストでは911GT3とかも乗ったことはあるけど、レースでポルシェに乗るのは初めてです!

でもボク自身、鈴鹿を走るのが久しぶりなので、まずは日本のファンの方たちの前でレースできることが楽しみだし、とにかく8月24日の予選・決勝は楽しんで走ります。応援しに来てくださいね! 詳しくは後日公開予定の別記事を参照くださ~い!(井出 有治)

ポルシェGT4ケイマン・クラブスポーツ
このメンバー、このマシンで久しぶりの鈴鹿を楽しみます!

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おぉ! 井出有治選手、ほぼ久々の国内レースですね。もちろん、このポルシェ・レースはclicccarでも参戦レポートをお伝えする予定です。要注意なのは、鈴鹿10Hは8月24日(土)予選/25日(日)決勝ですが、井出さんのポルシェ・レースは8月24日(土)に予選/決勝となるワンデーレースです。お間違えのないよう鈴鹿で応援、ヨロシクお願いいたしま~す!

(語り:井出 有治/文:永光 やすの/画像:オートスポーツ・永光 やすの)

【関連記事】

元F1ドライバー・井出有治選手も初体験の全日本EV選手権。ドノーマルのMIRAIで完走するドライビングとは?【モーターファンフェスタ2019】
https://clicccar.com/2019/05/05/802645/

井出有治選手、謎のペナルティにイジめられるも第4戦で2位&フェアプレイ賞GET!【韓国・SUPERRACE ASA6000 第2/3/4戦】
https://clicccar.com/2019/07/25/890836/

【関連リンク】

井出有治オフィシャルサイト:yuji-ide.com
https://www.yuji-ide.com/

レースとクルマの電子雑誌書店 ASB電子雑誌書店
https://www.as-books.jp/

この記事の著者

永光やすの 近影

永光やすの

「ジェミニZZ/Rに乗る女」としてOPTION誌取材を受けたのをきっかけに、1987年より10年ほど編集部に在籍、Dai稲田の世話役となる。1992年式BNR32 GT-Rを購入後、「OPT女帝やすのGT-R日記」と題しステップアップ~ゴマメも含めレポート。
Rのローン終了後、フリーライターに転向。AMKREAD DRAGオフィシャルレポートや、頭文字D・湾岸MidNight・ナニワトモアレ等、講談社系車漫画のガイドブックを執筆。clicccarでは1981年から続くOPTION誌バックナンバーを紹介する「PlayBack the OPTION」、清水和夫・大井貴之・井出有治さんのアシスト等を担当。
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