【新型メルセデス・ベンツBクラス試乗】ファミリーにうれしい優しい乗り心地と広くなったリヤシートが美点

●広くなった後席をよく使う人にベストマッチの新型Bクラス

2代目となる新型メルセデス・ベンツBクラスの「B 180」が2019年7月からデリバリーされ、10月頃には「B 200 d」の納車が開始されます。

新型Aクラスと同じ「MFA」と呼ばれるプラットフォームを使い、全長4430×全幅1795×全高1550mmというスリーサイズ。日本の駐車場、道路事情でも使いやすいボディサイズなので、マンションの方など、これなら選択肢に入るという方も多そうです。

新型Bクラス
新型Bクラスの走り

最初に登場した「B 180」は、1331ccの直列4気筒ターボを搭載。136ps/5500rpm・200Nm/1460-4000rpmというスペックで、トランスミッションは7速のデュアルクラッチトランスミッション(7G-DCT)が組み合わされています。新型Aクラスの「A 180」と同じパワートレーンで、エンジンのアウトプットも同一。

新型Bクラス
新型Bクラスの1331ccガソリンターボエンジン

車両重量は「A 180」の1360kgから「B 180」は1480kgと、120kg重くなっています。サスペンションはフロントがマクファーソン、リヤがトーションビームで、AクラスもBクラスも同じです。試乗車のタイヤは225/45R18。ブリヂストンの「トランザ T005」が装着されていました。

新型Bクラス
新型Bクラスの「AMG」ラインのタイヤ&ホイール

新型Aクラス登場時の「A 180」を思い出しながら走り出すと、乗り心地の良さが一段と向上しているのが伝わってきます。「A 180」は速度域を問わずピッチングを意識させられる乗り味でした。一方の「B 180」はとくに、街中での速度域でヒョコヒョコとした動きが抑制されていて、120kg増が効いているのか、滑らかな走りを披露してくれます。高速道路の法定速度くらいだと上下動が少し大きくなりシーンもあったので、もう少しフラットライド感があれば文句なしでしょう。

また、Aクラスよりも着座位置、アイポイントが高く、見晴らしの良さも印象的。Mクラス以上のミニバンやSUVに乗ってきた人がダウンサイジングするには、AクラスよりもBクラスの方がすんなり運転できそう。低い位置に潜り込むAクラスよりもBクラスの方が乗降性でも有利。子どもやお年寄りでなくてもBクラスの方が楽に感じます。

新型Bクラス
新型Bクラスのインパネ

開放感のあるキャビンは、前後席ともに頭上に余裕があり、後席は前席下に足が入れやすく、姿勢の自由度も高く感じられます。リヤシートは座面長に余裕があり、背もたれの天地高はまずまず。ただし、センタートンネルが大きいため、後席の中央は非常用の域を出ません。

新型Bクラス
新型Bクラスの前席
新型Bクラス
新型Bクラスの後席

「A 180」よりも120kg重くなったことで、出だしの鋭さはやや抑えられたように思えますが、1人乗車であれば動力性能的には何ら不足はなく、ドライブモードを「スポーツ」モードにすれば、鋭い加速も引き出せますし、ブリッピングしながら減速するなど、いざとなれば、スポーティな走りも可能。

新型Bクラス
新型Bクラスのラゲッジ。4:2:4分割可倒式を採用

ただし、エンジン回転が高く張り付くのでやや騒がしく、ファミリー層を狙ったMPV的な容姿であるBクラスにはあまり似合わないように思えますので、「コンフォート」か「エコ」、あるいは走り、快適性、燃費性能など個別設定が可能な「インディビジュアル」にしておくのが良さそう。

広くなり、走りも快適な新型メルセデス・ベンツBクラス。「A 180」は軽さを活かしたフットワークが美点で、「B 180」は家族ユースに最適な乗り心地の良さが感じられます。独身やディンクスでもBクラスはもちろんオススメできます。

扱いやすいボディサイズに加えて、広くなった後席をよく使う人にベストマッチなメルセデスといえそうです。

(文/塚田勝弘 写真/長野達郎、塚田勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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