【新型メルセデス・ベンツ Bクラス】新しいものに対するわくわく感という、シンプルだけど強いエモーションを得られる

●インパネまわりを見た瞬間に「これは大変新しいものだ」とすぐにわかる新型Bクラス

新型のメルセデス・ベンツ Bクラスをチェックできましたので報告します。撮影したグレードは1.4L(1332cc)の直列4気筒ガソリンターボを搭載するB180です。

エンジン型式はM282で、最高出力は136ps/5500rpm。最大トルクは20.4kgm/1460〜4000rpmとなっています。

Bクラスは先行して発売されていたAクラスをベースに、全高をアップして室内容積を大きく確保したハッチバックです。全長は4430mmで全高は1550mmとなっています。車重は1480kgです。

駆動方式はFF。トランスミッションは7速デュアルクラッチ式です。WLTCモードでの燃費は15.0km/Lとなっています。

外観での特徴は先代に対してシュッとして洗練されたスタイルです。とりわけボディサイドにおいては最新のデザインモードに沿って、強いキャラクターラインを排してプレーンな面づくりがされていることに注目。

リヤを見ると全高が高いイメージはほとんどなく、横方向に踏ん張りが利いた形になっていることが特徴です。それでいて昨今ではもはや珍しくなった1800mm未満の全幅(1795mm)であることが嬉しいです。

ラゲッジはバンパー下に足をかざすだけで自動で開いてくれます。容量は通常時で455Lと大きなもの。40対20対40比率で分割のリアシートを倒せば、最大で1540Lの大容量となっています。

リヤシートは3人がけですが、左右席の座面とシートバックを立体的にしてバケットシート風に仕上げているのが特徴です。ちなみに今回の撮影車両はAMGラインというパッケージオプションが装着されており、専用のブラックレザー・シートに変わっています。

後席用に独立したエアコン吹き出し口がありますが、その造形が昨今のメルセデス流儀に従って円形をしているのが格好いいです。USBタイプCの充電ポートも用意されています。

その座り心地はフロントシートとともに硬めなものです。こうしたファミリー志向のクルマにしてはハードな感じが「いま自分は日本車でもフランスでもなくドイツ車に乗ってるんだ〜」と思わせてくれます。座り心地にも個性ありなのでした。

インパネでの大きな特徴はそのモニターです。ドライバー正面・メーター表示部の10.25インチと、センター部分の同じく10.25インチの画面を1枚の横長パネルでつないだ形状が斬新です。

エンジンスタートボタン押すと真っ暗な画面の中にBクラスの姿が現れ、直後にスピードとタコメーターに切り替わります。

BクラスにはiPhoneのSiriや各社のAIスピーカー等と同様に声でコントロールができるMBUXという機能が搭載されています。「OKグーグル」と呼びかけるように、最初に「ハーイ! メルセデス」と声をかければシステムが起動します。

その後に例えば「東京タワーに行きたい」と言えばナビゲーションで目的地をセットしてくれます。またもっと抽象的な言葉、例えば「暑い」と言えばエアコンの温度を下げてくれたり。

このほか、エアコンの吹き出し口やセンターコンソール、ドアパネルに仕込まれたLEDライトのカラーリングを様々に変化させて楽しむことができる『アンビエントライトシステム』も備えたりしています。

これら装備のおかげで、今度のBクラスでの最大の注目部分はインテリアといえるでしょう。

車に詳しい人もそうでない人も、ドアを開けてインパネまわりを見た瞬間に「これは大変新しいものだ」とすぐにわかるのでした。

新型Bクラス・B180の価格は384万円(オプション価格含まず)。最近の車はどれもレベルが高いけれどもいまいち個性が見えないな、と思ってる人は一度この内装を見てみることをおすすめします。

新しいものに対するわくわく感という、シンプルだけど強いエモーションを得られますよ。

(写真・動画・文/ウナ丼)

この記事の著者

ウナ丼 近影

ウナ丼

動画取材&編集、ライターをしています。車歴はシティ・ターボIIに始まり初代パンダ、ビートやキャトルに2CVなど。全部すげえ中古で大変な目に遭いました。現在はBMWの1シリーズ(F20)。
知人からは無難と言われますが当人は「乗って楽しいのに壊れないなんて!」と感嘆の日々。『STRUT/エンスーCARガイド』という名前の書籍出版社代表もしています。最近の刊行はサンバーやジムニー、S660関連など。
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