【新型レンジローバー・イヴォーク試乗】初代よりオトナになった、ハイクオリティな走りが最大の魅力

●高級SUVに昇華した印象の新型レンジローバー・イヴォーク

エンジン横置きFFがベースの4WD(AWD)モデルである新型レンジローバー・イヴォークには、「INGENIUM(インジニウム)」と呼ぶ自社製の直列4気筒2.0Lガソリン、2.0Lディーゼルエンジンが設定されるほか、ランドローバー初の48Vのマイルドハイブリッドモデル(MHEV)が用意されています。

新型レンジローバー・イヴォーク
新型レンジローバー・イヴォークの走り

全車に搭載されているAWDシステムには「ドライブラインディスコネクトテクノロジー」が用意されていて、クルージング時は前輪駆動モードでの走行が可能。AWDの機械抵抗を抑え、燃費を向上させ、4WDが必要になるとドライブラインが瞬時に再接続されるシステムになっています。

新型レンジローバー・イヴォーク
新型レンジローバー・イヴォークの2.0Lガソリン
新型レンジローバー・イヴォーク
新型レンジローバー・イヴォークの9ATシフトレバー

ジャガー・ランドローバー社らしくグレードも豊富で、直列4気筒INGENIUMディーゼルエンジン(D180)と、直列4気筒INGENIUMガソリンエンジン(P200、P250、P300 MHEV)がラインアップされ、全17グレード展開になっています。

今回試乗したのは「R-DYNAMIC HSE P300 MEHV」、2.0Lガソリンの最上級グレードです。車両価格は8,010,000円。

オプションも豊富に揃っていて、試乗車はトラッキング技術を駆使して車両の盗難時に警告を発し、車両の位置情報を関係当局に通知するセキュアトラッカー、空気イオン化テクノロジー、MERIDIANサラウンドシステム、アダプティブダイナミクス、21インチ「スタイル5078」5スプリットスポークホイール、ヒーター付ステアリングホイール、ヘッドアップディスプレイ、固定式パノラミックサンルーフ、マトリックスLEDヘッド、マッサージ機能付16ウェイフロントシート、地上デジタルTVなど、総額2,143,000円ものオプションが装着された超豪華仕様。

新型レンジローバー・イヴォーク
新型レンジローバー・イヴォークの2.0Lガソリンモデル

新型レンジローバー・イヴォークの内・外装の質感向上は見た目でも明らかですが、走り出しから動的質感も大きく進化しているのが分かります。

21インチタイヤの割に乗り心地は良好で、路面の凹凸を巧みにいなして乗員には不快さを感じさせないレベルに到達しています。1秒に100回のペースでサスペンションを調整しているアダプティブダイナミクスの恩恵もありそう。

エンジンはレスポンスも良く、しかも緻密な回転フィールは4気筒とは思えないほど上質。もちろん、9ATという多段ATによる超スムーズな変速フィールと、適度にダイレクト感も味わえる変速感を両立しているのも美点です。

新型レンジローバー・イヴォーク
新型レンジローバー・イヴォークのインパネ

48VのMHEVは、スタータージェネレーターの加速アシストはあまり実感できないものの、300ps/5500-6000rpm・400Nm/2000-4500rpmのアウトプットを裏切らない加速感が全域にわたって堪能できます。

落ち着いたフットワークも魅力で、いざという時に少し飛ばしても圧倒的な安定感の中でもドライバーの要求に応えてくれる俊敏さも併せ持っている印象。グラリとしたロールはあまり感じさせず、安定した走りが引き出せます。

初代イヴォークでは分かりやすいスポーティさ、ちょっとヤンチャな感じに置き換えられていた印象でしたが、新型イヴォークは、代々レンジローバーに受け継がれていたジェントルさを備え、飛ばしたい時にはきちんと応えてくれる余裕が感じられます。静粛性も一段と高まっているため、先代よりもさらに高級SUVに昇華した印象を受けます。

(塚田勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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