【最新デリカD:5試乗】フルモデルチェンジに近い大幅な変更で、パワフルかつ静かに激変しました!

●エクステリアなどの見える部分以外にも大がかりな変更を実施した新型デリカD:5

2.2Lの最新のクリーンディーゼルターボエンジンを搭載し、全体をブラッシュアップした新型デリカD:5に試乗してきました。

新型・4N14型4気筒ディーゼルターボの排気量は2267cc。最高出力が145ps/3500rpmで、最大トルクは38.7kg・m(380N・m)/2000rpmというスペックになっています。

組み合わされているのは新開発の8ATです。これは、従来の6速版に比べて1速ギヤははローギヤードに、8速はよりハイギヤードな設定になっています。その結果、加速もよく巡航燃費も良い仕様となってます。

ボディの寸法は全長が4800mm、全幅は1795mmで全高は1875mmです。外観ではAピラーから前のフロントセクションを全く新しいものにしたことが魅力です。

テールライトやガーニッシュの造形も変更されています。

また内装もほぼ全面的に刷新されました。水平基調のインパネは随所に革や木を使った豪華なもの。同じような意匠がドア内側パネルにも続いています。

2列目シートはもちろん、3列目シートも大人がしっかり座れるサイズを持っています。

同時に、各ヒザ前空間にはそれぞれ大きなスペースを確保しており、多人数がゆったり座ることが可能です。

今回、ステアリング機構においてもラックを一新しました。デュアルピニオン式のEPSを採用しているのです。

これはステアリングシャフトに直付けのモーターでパワーアシストを行うのではなく、離れた位置に単体でモーターをセットしてラックを左右に動かすというもの。

従来の方式では、モーターの振動がドライバーに直接伝わってしまう点や、操作をリニアにステアリングラックに伝えづらいという欠点がありました。

デュアルピニオン式を使えば操舵角の入力とモーター補助を分離することができるため、より自然なパワーアシストができるというわけです。これはドライビングの質感向上や、スポーツ走行時におけるハンドリングの正確性向上に寄与させるのが主な目的です。

新型デリカD:5においてはこの機構採用と同時に操舵力そのものが見直されているのでしょう。従来よりも軽い力、かつフリクション少なく操作できるということが最大のメリットとして享受できます。

静粛性が向上したことも新型の特徴です。フロントセクションのデザイン変更時に遮音材や制振材等の追加/拡大採用をしたほか、車内でもルーフライニングの素材を見直すことで音を抑え込むことに成功しています。

また、遮音効果の高いフロントウインドウにするといった大掛かりな変更も加わっています。

新型デリカD:5は見た目やエンジンだけではなく、静粛性や操舵フィールにまで大きく手が入ったことで、フルモデルチェンジに近いような感覚を得ることができています。

(写真・動画・文/ウナ丼)

この記事の著者

ウナ丼 近影

ウナ丼

動画取材&編集、ライターをしています。車歴はシティ・ターボIIに始まり初代パンダ、ビートやキャトルに2CVなど。全部すげえ中古で大変な目に遭いました。現在はBMWの1シリーズ(F20)。
知人からは無難と言われますが当人は「乗って楽しいのに壊れないなんて!」と感嘆の日々。『STRUT/エンスーCARガイド』という名前の書籍出版社代表もしています。最近の刊行はサンバーやジムニー、S660関連など。
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