トップクラスのアダプティブクルーズコントロール、レーンキープの高精度を誇る新型3シリーズ【新型BMW 3シリーズ試乗記】

●3カメラ+ミリ波レーダーやパーキングアシストで快適なドライビングを実現

新型BMW 3シリーズ(試乗車は330i M Sport)の美点の一つは自慢のエンジンで、細部まで改良を受けた2.0L直列4気筒直噴には、ツインスクロールターボ、バルブトロニック無段階可変バルブ制御システム、ダブルVANOS可変カムシャフト制御システムが組み合わされ、超スムーズな8ATとの組み合わせにより、パワートレーンに関しては文句のつけようのない仕上がりになっています。

走行モードを「ECO PRO」にすれば文字どおり省燃費運転が可能で、「SPORT」モードで踏み込むと6ps増となる258ps/400Nmの恩恵が十分以上に感じられます。

安定感と切れ味を兼ねたハンドリングの良さなども魅力ですが、個人的に最も感心させられたのが最新のドライバーサポート(先進安全機能)の精度の高さ。

アダプティブクルーズコントロール、レーンキープなどのセンシングを担うのは最新の3眼カメラ(短/中/長距離用)で、レーダーセンサー、超音波ソナーにより車間維持機能のアダプティブクルーズコントロールは、高速道路での先行車への追従性は抜群。車間距離の設定はもちろん可能で、減速、加速時ともにドライバーを困惑させるようなことはありません。

レーンキープはメルセデス・ベンツCクラスなどのライバルと比べてもさらに介入してくる印象で、精度が高く、現在の自動運転の「レベル2」ではトップクラスといえるほどの安定感。原則として高速道路で使うアダプティブクルーズコントロール、レーンキープですから、高速道路であればイージードライブもお手のもの。

パーキングアシストに加わったリバースアシストも頼もしい存在で、狭い道ですれ違いが困難な際などに、一度前を走った軌跡をトレースして自動でバックしてくれますから、後方を注意していれば結構使えそうです。

最新の自然対話型の音声操作もシーンによっては使える印象で、運転席から「暑いな」というと、ドライバー側のみ温度設定を「2℃下げる」などのきめ細かい制御も用意されていますし、音声操作でできない機能については、無言になるのではなく操作方法を音声で知らせてくれることもありました。

BMW 3シリーズのオーナー、ドライバーであっても常にスポーツドライビングを楽しみたい、と思っているわけではなく、より快適なドライビングもニーズとして高いはずで、こうした先進安全装備などによる快適性の高さも見逃せない魅力になっています。

アダプティブクルーズコントロール、レーンキープの高い精度により、渋滞があっても高速道路を使ったロングドライブも楽にこなせます。

(文/写真 塚田勝弘)

この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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