The昭和な当時、最速記録更新したフェアレディZは凄すぎて5速が踏めな~い!!【OPTION 1986年4月号より】

■300km/hオーバー車もチラホラ出始めた当時の最速記録更新車!

・やっぱりフェアレデイZは速かった!

1986年にもなると、最高速300km/hオーバーを記録するクルマもチラホラ出始めた時代。そんな中、当時の最高速記録を塗り変えたのが、HKS千葉のフェアレディZツインターボです。

メインカットがなぜこんなめまいを起こしそうな画像なのかは不明ですが、レポーターのミッキー多田さんは、このZはパワーが凄すぎてストリートでは5速が踏めなかったとか。では早速、見てみましょう!

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■これが新・日本最速Zだ!

ガギョーン! また谷田部での最高速記録が塗り変えられた。なんとこのフェアレディZ 3Lツインターボは、MAX SPEED 313.31km/hという究極の数値を叩き出したのだ!!

HKS千葉 フェアレディZ 3Lツインターボ
最高速=313.31km/h

・ゴメン、5速はふ、踏めない

「ホントにボクに乗れるのかな」…前の晩から緊張して眠れなかった。なんたってHKS千葉のZはL28改3LエンジンとT04Bツインターボで公表最大出力は500ps以上!と強力。自分自身に不安だらけだったのだ。

HKS千葉の神保メカニックに「まだ最高速を行ったままの状態で最大ブーストは1.2kg/cm2です。4000rpmくらいで若干カブるかもしれませんけど、回転は7000rpmまでOKです。くれぐれも気を付けて」。

ヤ、ヤバいと思った時はもう時すでに遅し、根性入れてバケットに座り込む。軽くレーシングしてみるとピックアップは抜群だ。アイドリングも1200rpmで安定している。各メーター類のチェックを行い走り出す。

これが意外、予想とは逆に乗りやすいのだ。低速でもトルクフルで、2000rpmからでも十分加速していく。ただクラッチは大パワーに対処すべく、HKS製のB&Bを装備してあるので、クラッチミートはかなりシビアだ。

気合を入れなおしてフル加速してみる。指定された7000rpmまで各ギヤを引っ張る。4500rpmを超えたあたりからはガツーンという加速が襲う。すさまじい加速だ。フルブーストの1.2kg/cm2がかかる5000rpmあたりでは、グリップ力の高いアドバンHF-D225でもホイールスピンする。それも1速から4速までだからいかに強力なパワーか分かるだろう。4速7000rpmまではイッキ。車速にして250km/hレベルが軽いんだからあらためてビックリだ。

サスペンションはベスト。トキコのイルミナに強化タイプのコイルを装備。ブレーキもHKSの大容量ローターに変更され、高速からのブレーキングも効きは最高。5速300km/hオーバーのフィーリングをチェックしたかったが…ストリートでは絶対に無理。

空力は必要最低限程度のスポイラー類を追加したくらいだが、安定性も良く安心して高速巡航可能だ。フレキシブルかつ4500~7000rpmのパワーバンドではガツーンとくる加速、本当にオールマイティな怪物マシンだった。

生きて帰れて良かった!

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谷田部で記録更新をした後の、ストリート試乗。そりゃ昼間の高速では無理ってもんです。レポーターのミッキー多田さん(多田幹夫さん)、近々お会いするかも! 近況聞いておきますね~。

[OPTION 1986年4月号より]

(Play Back The OPTION by 永光 やすの

この記事の著者

永光やすの 近影

永光やすの

「ジェミニZZ/Rに乗る女」としてOPTION誌取材を受けたのをきっかけに、1987年より10年ほど編集部に在籍、Dai稲田の世話役となる。1992年式BNR32 GT-Rを購入後、「OPT女帝やすのGT-R日記」と題しステップアップ~ゴマメも含めレポート。
Rのローン終了後、フリーライターに転向。AMKREAD DRAGオフィシャルレポートや、頭文字D・湾岸MidNight・ナニワトモアレ等、講談社系車漫画のガイドブックを執筆。clicccarでは1981年から続くOPTION誌バックナンバーを紹介する「PlayBack the OPTION」、清水和夫・大井貴之・井出有治さんのアシスト等を担当。
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