【マツダ3 セダン 国内試乗】よどみなく吹き上がるNAエンジンと清涼感あるハンドリング

●先代のアクセラよりもクラスアップしたかのような「マツダ3」

マツダ3のセダンに国内初試乗をしてきました。非常にホイールベースが長いモデルで、2725mmです。

昨今のクルマが余裕で全幅1800mmをガンガン超えてくる中、1795mmと1.7m台に収まっています。割と現実的なサイズに収まってくれてありがたいです。

全長は4660mmで、全高は1445mm。FF系のシャシーを持ち、4WDもラインアップするCセグメントのモデルです。

エンジンは1.8Lのディーゼルターボ、1.5&2Lのガソリン自然吸気を用意します。プラグ着火と圧縮着火を併用する特別なガソリンエンジン「スカイアクティブ-X」(2L過給器付きと目されます)も2019年10月にはラインアップされる予定です。

外観での注目はテールライトの造形です。丸4灯が並ぶスポーティなものになっています。一見、ファストバックと形が似ていますけれども、よく見るとそのレンズの形状は形違うんですよ。

また丸いテールランプ同士の間隔自体も違いがあり、夜間に点灯する赤い部分だけを見ても違いがはっきり。

新型マツダ3はドライビングポジションに気を使っています。例えばステアリング。チルトは当然しますけれども、テレスコピックの量が増えています。前後方向に10mmずつ追加されて70mmのストロークを持ちました。

センターディスプレイは8.8インチのワイドなものを採用しています。

注目は、タッチパネル式ではないということです。各種操作は手元のダイヤルと、その上面のタッチパッドで行います。

マツダは運転中にドライバーが上体を伸ばしてコントロールすると、ドライビングへの集中をそいでしまうことにつながりかねない、と考えています。このためタッチ方式とはしていないのです。

今回試乗したセダンのエンジンは、2Lのガソリン・スカイアクティブ-Gです。近年、このクラスが小排気量のダウンサイジングターボ化していく中で、NAの大きめ排気量というのは珍しくなってきました。

ちょっと踏んでみると、高回転までよどみなく吹き上がります。この「吹け上がる」感じ、NAエンジンの魅力ですよね。

なおこの加速中も、巡航中も、車内は非常に静かです。これは様々な部分の遮音材などをおごっているということもあるんですが、このセダンではトランク部分の骨格にシーリング材を入れるなどしています。

こうして広範囲に大きな改良を施して、静かな車内を実現しているでした。

ハンドリングは清涼感があって気持ちいいものです。これはサスペンションの性能が良いということの前に、ボディ剛性が高いということも奏功しているようです。

ボディ剛性の高さが端的にわかる箇所としては、エンジンルームがあります。サスペンションのタワー同士をつなぐような部分に、太めの構造材が入っていてガッチリとした骨格の一部を形成しているんです。

がっちりボディによって、キレのある操作感を生む土壌が出来ているんですね。

マツダ3はこのようにハンドリングが良いこと、それから遮音性が高いことなどで、従来モデルのアクセラよりもクラスアップしたかのような印象があります。

トータル、大変美味な乗り味でした。ごちそうさまでした。

(写真・動画・文/ウナ丼)

この記事の著者

ウナ丼 近影

ウナ丼

動画取材&編集、ライターをしています。車歴はシティ・ターボIIに始まり初代パンダ、ビートやキャトルに2CVなど。全部すげえ中古で大変な目に遭いました。現在はBMWの1シリーズ(F20)。
知人からは無難と言われますが当人は「乗って楽しいのに壊れないなんて!」と感嘆の日々。『STRUT/エンスーCARガイド』という名前の書籍出版社代表もしています。最近の刊行はサンバーやジムニー、S660関連など。
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