■ミッド! V8! 最新のフェラーリ登場
2019年6月25日、東京都江東区にある東京都現代美術館において、フェラーリ最新のミッド・リアエンジン・スポーツカー、F8 Tributo(以下トリブート)が日本で初披露されました。
発表会の会場にはF8トリブートのルーツとも言える1975年式の308GTB、そして最も有名なV8ミッドシップエンジンモデル「F40」がディスプレイされ、最新のミッドシップモデルであるF8の初披露に華を添えました。
F8トリブートは488GTBの後継車にあたり、エンジンやボディの空力性能など全面的に見直され、限界域での操縦性能および快適性が向上させたモデルです。またパフォーマンス向上のために軽量化にも力を注ぎ、488GTBよりも約40kgの軽量化を実現。キャビンの快適性を犠牲にすることなく、応答性能とドライビングプレジャーが強化されています。
F8トリブートに搭載されているエンジンは2016〜2018年にかけて、3年連続でインターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤーの「最優秀エンジン」に輝いた3.9LV型8気筒ツインターボです。最高出力は488GTBより50psもアップし、最高出力720psを発生。最大トルクは770Nmと非常にパワフルになっています。
しかも車両重量が1330kgと軽量化されているため、0-100km/h加速は2.9秒、最高速度340km/hという高いパフォーマンスを発揮します。また、エンジンルームはF40の特徴的なデザインをアレンジしてレキサン製のリアウインドウを透して見ることができます。
F8トリビュートを見て、488GTBからの進化が最も感じられるのが、エアロダイナミクスを追求した外観です。フロント部には488ピスタで初めて導入されたS-Ductを採用。フロントエリアのデザインを刷新することで、総ダウンフォースにおけるS-Ductの貢献度は15%まで向上しています。
また、コンパクトになったフラップタイプの新型LEDヘッドライトの採用により、ブレーキ冷却用の新型インテークをバンパー外型のインテークと一体化させています。その結果、ホイールアーチ全体の気流を改善することで、ブレーキシステムのサイズ拡大を避けています。
フェラーリが史上最強のV8モデルと呼ぶように、最高出力710psまで向上したV8ツインターボエンジン。ボディの軽量化そして空力性能の向上。そして、透明のエンジンカバーなど過去のモデルからインスパイアされたデザインなどまさに“トリブート”に相応しいモデルに仕上がっています。
気になるF8トリブートの価格は現在のところ約3300万円〜ということになっています。最速のV8ミッドシップフェラーリ。どんな走りを魅せるのか楽しみですね。
(萩原文博)