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【RE雨宮RX-7 最終記録】
総合14位(LD-2クラス5位)
(完走)
周回数:132周/所要時間:4時間39分44秒80/平均車速:124.85km/h/平均ラップタイム:2分7秒16/総走行距離:582.12km
■三強の中じゃ1番、けどねぇ~
「アッ! 予定外のピットインだ」70周を超えて最高速テストドライバーの井上選手(アニキ)にバトンタッチして5周目。リヤ部をクラッシュしたRX-7が戻ってきた。が、このくらいのことでくじけるRE雨宮じゃない。電光石火の速さで良一、コーゾー、堀の3人が修理を始める。雨さんは興奮気味に話すアニキから冷静に状況を理解しようとしている。
「100Rでやっちまった。Cカーに抜かれた時だったんだ。リヤカウルはいっちまったけど足のほうは大丈夫かな?」この時、3人のメカはすでに割れてしまったリヤカウルを外し、フェンダー後部の応急処置を終えていた。しかし、テールランプユニットが無くなってしまったため、ゲート前のウエキガレージに置いてあるプロダクション仕様のRX-7からテールランプユニットを移植して完成。ピットロードを飛び出していった。
この間、約30分ほどのロス。これがなければもっと上位に入っていたと思うと残念!
【トラスト・セリカ 最終記録】
(エンジンブロー・リタイヤ)
周回数:38周(ノーピットストップ)/所要時間:1時間3分7秒46/平均車速:159.29km/h/平均ラップタイム:1分39秒67/総走行距離:167.5km
■これがレースです。無念!!
セリカのピットを守るのは、トラストの若手である平田、アツシ、谷村、阿部の4人。ピット内にはレース特有の緊張感はあるものの、彼らの自信が明るさを生んでいる。これは旧SAセリカから完成度をどんどん上げてきたことによるものだろう。
が、チーフ役の平田クンは大川さん譲りの動物的感によるものか、一抹の不安を感じているようだった。ラップを重ねるセリカを厳しい目で見つめ、ちょっとしたエンジンの音の変化やハンドリングまで、まるで自分がドライバーになったように全神経を配っている。
スタート後の混乱から、各マシンがペースをつかみ周回を重ね始めたころ、トラストに不幸が重なってやってきた。まずトップグループをいくヰセキポルシェ956がニューコーナーで火災のためにリタイヤ。そして38周目。セリカまでエンジントラブルのためリタイヤしてしまった。平田クンがスタート後に感じたのは、このエンジントラブルの予感だったのかもしれない。
残念なことに、トラストのふたつのピットはレース前半にして無人になってしまったのだ。
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雨さん=完走、トラスト&OPT=リタイヤ…。これが、レースです。トラストのレポートのところで「チーフ役の平田クンは大川さん譲りの動物的感によるものか…」は思わず笑ってしまった! その光景が目に見えるようで!!
[OPTION 1985年10月号より]
(Play Back The OPTION by 永光やすの)