新型ダイハツ・タントが2019年7月に登場。日産三菱陣営も新型モデルの登場間近?

●クルマ作りの大変革を迎える「DNGA」第1弾・新型タント

2019年7月に発売される新型ダイハツ・タントは、ホンダN-BOX、スズキ・スペーシアと競合する軽スーパーハイトワゴン。日産デイズルークス/三菱eKスペースもあり、こちらも三菱自動車の決算発表で2019年後半にも導入するとアナウンスされています。

2019年4月の軽自動車販売ランキングは、全国軽自動車協会連合会によると、1位がN-BOX、2位がスペーシア、3位がタント。2月も3月も同じ順位で、ファミリーユースに適した軽スーパーハイトワゴンへのニーズの高さがうかがえます。N-BOXは2017年度、2018年度で登録車を含む販売台数でナンバー1になり、いまや国民車といえる地位を獲得。

6月6日にダイハツが発表した「DNGA」では、3つのコンセプトが掲げられています。まず、軽自動車を基点に小型車まで、設計思想を共通化した「一括企画開発」を採用。「車両の進化」「パワートレーンの進化」「先進安全の進化」の3つの進化を実現。そして、将来の電動化やコネクトサービスの実現など「CASE対応を見据えた設計構想」を織り込むという内容です。

「DNGA」第1弾となる新型タントは、シャーシやアンダーボディの刷新、ボディ構造の見直しなど、走りや快適性を左右する大がかりなもので、まさにトヨタの「TNGA」のようなクルマ作りの大変革を迎えるよう。

エンジンも燃焼を見直すなどの新開発となり、「ベルト+ギヤ駆動」が可能となる世界初の「パワースプリット技術」が採用される「D-CVT」もスムーズな走りに貢献。

安全面では、ティザーサイトが公開された新型N-WGNと同様に、先行車を検知し、停止まで制御する全車速追従機能付アダプティブクルーズコントロールのほか、「ブレーキ制御付誤発進抑制機能(前方・後方)も注目。従来のエンジン出力抑制に加えて、ブレーキ制御を付加することで、急発進を防止する機能で、ペダル踏み間違い事故低減を図ることができそう。そのほか、「DNGA」により軽量化が図られることで、実燃費向上も期待できそうな新型タント。

迎え撃つ王者N-BOXの強みは、車内の広さや低床設計による荷室の広さ、使いやすさ、上質な外観や走りなどの総合力、ブランド力。新型N-WGNに投入されたホンダの軽初となる渋滞追従機能付アダプティブクルーズコントロールなどもいずれN-BOXにも採用されると思われます。

スズキ・スペーシアは全車にマイルドハイブリッドシステムを搭載し、最高で30km/Lに達するカタログ燃費(JC08モード)が魅力。もちろん、キャビンやラゲッジの広さも王者と遜色はなく、スペーシアギアというSUVテイストの派生モデルもスペーシア人気を支えています。

軽スーパーハイトワゴンの人気に火を付け、軽自動車ナンバー1に君臨してきたダイハツ・タント。「DNGA」により、走りから安全性、燃費、そして肝心の広さや使い勝手でライバルを少しでもリードできるかに注目です。

(塚田勝弘)

この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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