■高速道路の冬用タイヤ規制下でも通行可能なスノー性能を発揮
夏でも雪道でも走れるオールシーズンタイヤは1977年にグッドイヤーが市販化するなど、昔からありましたが、2008年にグッドイヤーが「ベクターフォーシーズンズ」を日本に導入し、2012年には23サイズに拡大。さらに2016年に日本製に切り替えるなど、近年は各メーカーが日本車への適合性を高めています。
さらに、2019年1月にはミシュランが「クロスクライメート」シリーズを全国で発売(それ以前にオートバックスで先行販売)。ピレリの「チントゥラート オールシーズン プラス」、ピレリの「スコーピオン ヴェルデ オールシーズン」、グッドイヤーのSUV向け「アシュアランスウェザーレディ」、ファルケンの「ユーロウィンター」などがあります。
オールシーズンタイヤは、北米や欧州では一般的で、こうして日本でも種類が増えることで注目度がアップ。一般的にスタッドレスタイヤより雪上性能では譲るものの、急な降雪程度、圧雪路やシャーベット状なら走行可能で、「M+S」、「スノーフレークマーク」などの表示があれば「冬用タイヤ規制」下でも走行できます。
ただし、スタッドレスタイヤでもオールシーズンタイヤでもチェーンを装着していないと走行不可の「全車両チェーン規制」下では当然ながらチェーンが必要。なお、「スノーフレークマーク」は、国連欧州経済委員会に規定されたシビアスノー要件を満たしたタイヤのことです。
そんな中、TOYO TIREは、SUV向けの全天候型オールシーズンタイヤ「CELSIUS(セルシアス)」を2019年8月1日から発売すると発表しました。発売サイズは165/60R15 77H、215/60R16 99V(XL)、215/65R16 98H、215/60R17 96V、225/60R17 99V、225/65R17 102Hの全6サイズ、すべてオープン価格です。
「TOYO TIRES」ブランドは、現在オンロード向けの「PROXES(プロクセス)、オフロードで高い走破性を発揮する「OPEN COUNTRY(オープンカントリー)」を展開していて、今回、国内市場に向けて発売される「CELSIUS(セルシアス)」は、2015年から北米をはじめ、欧州にも投入されていたオールシーズンタイヤです。
都内などの非降雪地帯でも突然の降雪で立ち往生するクルマが報道されています。先述したように、こうした状態でも安心感のある走行ができるオールシーズンタイヤが注目を集めつつあり、同社では都心でも増えているSUVユーザー向けの新カテゴリーとして、潜在的な顧客開拓を図るとしています。
●アクティブポリマーと左右非対称パターンが高性能のカギ
「セルシアス」は、1年を通して安定した走行を実現する性能を有したSUV用タイヤです。トレッドコンパウンドには、シリカの分散を向上させるアクティブポリマーが採用され、「スノーフレークマーク」の打刻が認められる雪道での性能を持ちながら、夏タイヤに必要なウエット性能向上と転がり抵抗の抑制を実現。アクティブポリマーは、シリカの分散性が良く、ウエット性能と転がり抵抗の両立を図れるメリットがあります。
また、オールシーズンタイヤとして、3Dグリップサイプ、ジグザグブロック、スノートラクションなどにより、降雪路面においてしっかり走れるスノー性能とドライ、ウエット性能を最大限に発揮する非対称パターンも特徴で、オールラウンドカテゴリーにふさわしいタイヤ性能を備えています。
(塚田勝弘)