新生ニュルブルクリンクのFF最速! ルノー・メガーヌR.S.トロフィーRが7分40秒の新記録を達成

■ルノー・メガーヌR.S.の軽量バージョンがホンダ・シビックTYPE Rの7分43秒80を超える新記録を樹立した?

ドイツ・ニュルブルクリンクの北コースといえば全長20.832kmというロングコースであり、そこでのタイムはスポーツカーの基準と考えられています。けっして新しいコースではありませんが、だからこそリアルワールドでの速さにつながるベンチマークとなっているのです。

そのニュルブルクリンク北コースにおけるFF最速のタイムは、ホンダ・シビックTYPE Rの7分43秒80とされています。しかし、2017年にシビックTYPE RがFFのレコードタイムを出した後、ニュルブルクリンクは改修を受けることになります。

そして、2019年4月。ついにFFの最速ラップタイムが更新されました。新たに王者となったのはルノー・メガーヌR.S.トロフィーR。300馬力のエンジンを積むルノー・メガーヌR.S.をベースに、130kgもの軽量化をしたスペシャルモデルです。さらに、アクラポヴィッチ、ブレンボ、ブリヂストン、オーリンズ、サベルトといった各界のビッグネームとパートナーシップを結ぶことでグレードアップしているということです。タイムアタック用のスペシャルチューンではありません。2019年内に全世界数百台の限定モデルとしてリリース予定となっています。つまり、市販車(量産車)としてのFF最速を塗り替えたということになります。

そのタイムは7分40秒100。大幅にシビックTYPE Rのレコードをやぶり、FF最速マシンの座に返り咲きました。

ただし、このタイムは1コーナーの進入前にスタートラインを置き、ゴールはスタート/フィニッシュラインを置くという従来まで使われていた計測方法によるもので、じつは走行距離は20.600kmと少しだけ短くなっています。今後、ニュルブルクリンクが公式採用するのは20.832kmのフルコースでの記録となりますが、そちらのラップタイムは7分45秒389。これがFF最速を目指すライバルたちのターゲットとなるわけです。

山本晋也

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山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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