●パワートレーンを一新したプジョー・308「BlueHDi」
2018年12月、Cセグメントのプジョー・308に、新しい1.5Lのディーゼルターボエンジン、トランスミッション、アダプティブクルーズコントロールなどが追加された「BlueHDi」が設定されました。
現行プジョー308は2014年11月に導入され、約4年経て最大の改良が施されたことになります。最新のプジョー308に搭載されるディーゼルターボエンジンは、従来の1.6Lから「DV5」型の1.5Lにダウンサイジングされました。
直列4気筒ディーゼルターボ「DV5」型は、グループPSAの新世代B/Cセグメント用プラットフォームである「CMP」に適合させるべく開発されたコンパクトエンジン。「DV6」と比べると、高さマイナス24mm、幅マイナス20mmを達成したそう。さらに「DV6」から81%のパーツが新設計されていて、主な新開発部品としてコネクティングロッド、ピストン、クランクシャフト、さらにシリンダーヘッドを新設計し、16バルブ化されています(DV6は8バルブ)。
1.6L(1560cc)の「DV6」は、120ps/3500rpm、300Nm/1750rpm。1498ccの現行「DV5」は、130ps/3750rpm、300Nm/1750rpmですから、10psの出力アップが図られています。同時に燃費も向上しており、「308 Allure BlueHDi」のJC08モードで従来型比+15.7%の24.3km/L(従来型は21.0km/L)と、大きく向上。これにより、現状の排ガス規制(EURO6.2)をクリアしています。
さらに、トランスミッションも6ATから8ATの「EAT8」に多段化され、スムーズな変速、走りが期待されるパワートレーンになっています。
試乗車は、本体価格3,297,000円の「308 SW アリュール Blue HDi」。走りは、街中では「エコ」モードでも加速に不満はなく、「よく走るな!!」と感嘆させられます。「スポーツ」モードにすると、非常にトルクフルで、実用域ではまったく不足を抱かせないほどパワフル。ディーゼルとしては高速域のパンチ力も十分に感じられます。
100km/h巡行時のエンジン回転数は、8速で約1500rpm。アイドリング時や低速域ではディーゼルエンジンらしい音・振動が大きめに伝わってくるものの、走り出してしまえば気になるほどではありません。
また、先述したようにエンジン自体もコンパクトになっていますから、「DV6」よりも鼻先が軽くなった印象で、元々秀逸といえる308のフットワークの良さがさらに引き出されています。多段化されたトランスミッションは、適度なダイレクト感を抱かせながらもスムーズな変速フィールが得られるのも朗報。
街中から山岳路、高速道路まで非常に軽快に走破できるプジョー308。良好な乗り心地も美点で、全長4600×全幅1805×全高1465〜1475mm(ステーションワゴンのSW)という比較的扱いやすいサイズでありながら、グランドツアラー的な魅力も兼ね備えています。
(文/写真 塚田勝弘)