天然素材を使ったボディを持つ、ポルシェの新しいGT4レーシングカー

■6気筒エンジンを搭載したレーシング「ケイマン」の外装に天然繊維パーツを使用

ミッドシップ・レイアウトの2シータースポーツカー、ポルシェ・ケイマンに純レーシングカーのGT4クラブスポーツが追加されます。

市販車のケイマンは水平対向4気筒ターボを積んでいますが、GT4仕様は3.8L水平対向6気筒エンジンを搭載します。その最高出力は313kW(425PS)、トランスミッションは6速DCTとなっています。

GT4カテゴリーということは、ハイアマチュアのジェントルマンレーサーをメインターゲットとしたレーシングカーです。「718ケイマンGT4クラブスポーツ」には、ポルシェジャパンが主催する新シリーズ、ポルシェスプリントチャレンジジャパン(PSCJ)への参戦を前提とした「コンペティション」モデルと、SROが主催するブランパンGTシリーズのGT4カテゴリー等に参戦するための「MR」という2つのバージョンが用意されます。

さらに、このレーシングカーが革新的なのは持続可能性さえも考慮していることです。運転席と助手席のドア、さらにリアウイングは亜麻や麻の繊維などの農業副産物から供給される有機繊維を利用した天然繊維コンポジット製となっています。レーシングカーのボディにおいて原材料の持続可能性にフォーカスされたのは、おそらく初めて。ポルシェによればプロダクション(量産)レーシングカーとしては世界初ということです。

価格は、718ケイマンGT4クラブスポーツコンペティション が2361万9600円、718ケイマンGT4クラブスポーツMRが2714万400円と発表されています。なお、718ケイマンGT4クラブスポーツコンペティションの購入者には、PSCJへの参戦が義務付けられているそうです。

また、レーシングカーですから公道走行はできません。あくまでサーキット専用車です。

(山本晋也)

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山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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