40周年を各社がバックアップし、大盛り上がりとなっているバンコクモーターショー【バンコク・モーターショー2019/事務局長インタビュー】

3月下旬、タイ王国バンコク近郊で開催されたバンコクモーターショーの会場で、モーターショー事務局長のジャトロン・コモリミス氏にインタビューを行った。

── 今年は40周年とのことですが、なにかイベント的なものはあるのですか?

ジャトロン氏:ショー会場の通路にいろいろな展示物を用意しています。第1回はバンコク市内のルンピニー公園のなかで行ったのですが、その様子を模した像や、毎年のポスターなどを展示しています。

── やはり区切りのいい年は、出展社も特別なことを行うのでしょうか?

ジャトロン氏:40周年ということで各社が出展に力を入れています。メルセデス・ベンツは21モデルの新型を投入、BMWも17モデルをこのショーから投入しますので、各社ともに販売台数は大幅に増えるでしょう。(※バンコクモーターショーではショー会場内で販売が行われ、その場で契約書にサインする)

── 今年の出だしはいいのですか?

ジャトロン氏:はい。昨年はプレスデイ前日のVIPデイで600台のクルマが契約されましたが、今年はVIPデイだけで1000台が契約されています。ショー期間中の昨年実績は4万2499台の契約でしたが、今年はそれを8~10%上まわると予想されています。

── バンコクモーターショーは販売を行うショーですが、これは特殊なのでしょうか?

ジャトロン氏:世界の多くのショーでは販売が行われていないので、特殊と言えるでしょう。しかしOICA(国際自動車工業連合会)の関係者が、バンコクモーターショーを見ていて「販売するというのもひとつの方向性として考えられる」というニュアンスの発言もありました。

── なるほど、もしかしたらバンコクモーターショーがスタンダードになるかもしれませんね。東京モーターショーについての助言はありますか?

ジャトロン氏:助言などとんでもないです。私たちは2年に1度の東京モーターショーに必ず行って、そこでイロイロなアイディアをいただいて帰ってきます。お互いに高めあえる関係になれればうれしいですね。

── 今年の傾向を教えて下さい。

ジャトロン氏:昨年は少し出展社が減ったのですが、今年は復帰したり増加したりしています。昨年は出展しなかったランボルギーニとマクラーレンも出展しましたし、中国系のバイクブランドも2社増加、プジョーのバイクも出展されました。ヒュンダイとメルセデス・ベンツは乗用と商用を分離しましたので、出展内容が以前とは変わりました。13人定員以上のクルマは商用扱いになるので、このショーには基本展示されていません。

40回という長い歴史のなかで、バンコクモーターショーは大きく変化しつつ成長してきました。その様子はタイのモータリゼーションの発展そのものです。今後見逃せないショーとして発展していくことでしょう。

(文:諸星陽一)

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諸星陽一

1963年東京生まれ。23歳で自動車雑誌の編集部員となるが、その後すぐにフリーランスに転身。29歳より7年間、自費で富士フレッシュマンレース(サバンナRX-7・FC3Sクラス)に参戦。
乗って、感じて、撮って、書くことを基本に自分の意見や理想も大事にするが、読者の立場も十分に考慮した評価を行うことをモットーとする。理想の車生活は、2柱リフトのあるガレージに、ロータス時代のスーパー7かサバンナRX-7(FC3S)とPHV、シティコミューター的EVの3台を持つことだが…。
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