スーパーポールの興奮も冷めやらぬトラック上では、電気自動車SUVのジャガー・I PACEによるワンメイクレースが行われ、Formula Eドライバーたちはイベント広場E villageでファンサービスし、パドックでは決勝に向けてメカニックたちが整備に追われます。
気がつけば雨もほぼあがり、少し蒸し暑ささえ感じるようになった現地時間15時半、Gen2マシン22台がゆっくりとコースイン。各車グリッドにマシンを並べるとコース上ではセレモニーが行われ、グリッドウォークは大勢のファンや関係者で賑わいます。
そして16時、Formula E開催50回の記念大会決勝がスタート!
フロントローから抜群のスタートを決めホールショットを奪ったのは、好調日産e.damsのオリバー・ローランド!
筆者はファインダーを覗きながら、思わず「キターーーーー!」と叫んでしまいました(笑)
ですがきっとこのスタートを見ていた日本人の多くがそう叫ばずにはいられなかったのではないかと、勝手に確信しています。このままいけば日産の初優勝が生で見られる、そう思ったらワクワクせずにはいられません。
それとスタート前からある程度は予想していたことですが、F3より大きな車体のGen2車両で1コーナーがあんなヘアピンでは接触がないほうがおかしな話で、案の定ガッチャンガチャガチャと車体がぶつかる音が何度も聞こえてきましたが、それでも大きな混乱なくオープニングラップが進んだのは、やはりF1をはじめ世界のトップカテゴリーで活躍してきたドライバーたちのスキルの高さなんだろうなぁと感心しました。
ところがそう思ったのも束の間のレース開始3周目、2コーナーで3台のからむ多重クラッシュがあり、車両回収のため赤旗中断となります。
セーフティーカー先導でのリスタート時、レース残りは38分+1周。ここでほとんどのドライバーがアタックモードのアクティベーションゾーンを通過していきます。
迎えた7周目、予選7番手から驚異の追い上げで2番手に上がってきたEnvisionバージンのサム・バードが1コーナーでローランドのリアに接触したようで直後にローランドは失速、大きく順位を落としてしまいました。
これで、Formula Eでの日産の初優勝が大きく遠のき、「あぁ、海外で聞く君が代はいつ聞いても最高だなぁ」という個人的な夢も次回へと持越しになりました。
ちょうどその頃、ファンの投票でパワーアップのできるファンブーストの投票が終わり、7位走行中のブエミ、そして予選PPから3位に後退したバンドーンがファンブーストを獲得したことが映像で流されました。