RUFが「CTR アニバーサリー」と「GT」、2つのコンプリートモデルを初公開【ジュネーブオートショー2019】

【パフォーマンスの進化に終わりはない。さらなる進化をみせるRUFのコンプリートモデル】

第89回・ジュネーブオートショーが2019年3月5日のプレスデーで開幕しました。ポルシェをベースにオリジナルのコンプリートカーを仕立てるRUFオートモビルGmbH(以下RUF)は、「RUF CTR アニバーサリー」と「RUF GT」という2つのモデルを出展しました。

RUFは「ロードカーとしてのポルシェを、RUFが考える最適な状態にして提供すること」をポリシーとしており、その頂点に立つのがRUFオリジナルのコンプリートカーなのです。ポルシェをベースに究極の性能と完成度の高さを誇るクルマをこだわりをもつユーザーに提供し支持されているブランドです。

今回ジュネーブオートショーに出展された2台、まず「RUF CTR アニバーサリー」を紹介しましょう。これは1987年に発表され、イエローバードと呼ばれた初代CTR誕生から30年。そしてRUF社設立80周年記念車として命名されたモデルです。

2017年のジュネーブオートショーにプロトタイプとして出展されたCTR 2017の初生産モデルにあたるモデルがCTR アニバーサリーです。見た目は964型911をベースとしたCTRをモチーフとしていますが、カーボンモノコックシャシーとカーボンボディを採用し、総重量わずか1200kgという超軽量RR(リアエンジン・リア駆動)のスポーツカーです。

搭載する3.6L水平対向6気筒エンジンにツインターボを装着。最高出力710ps・最大トルク880Nmを発生し、最高速度は360km/hを達成しました。組み合わされるトランスミッションは300km/h以上という高速度域に対応したRUF製の7速MTを採用しています。

車体重量バランス均等化のため、エアコン用のコンプレッサー及び電動パワーステアリングポンプをエンジンルーム外に配置。また専用設計のリアウィングを採用するなど細かい配慮が施されています。CTR アニバーサリーはポルシェ製のシャシーやボディを最適化してきた従来のRUFのコンプリートカーと異なり、独自設計によるシャシーとボディを採用したコンプリートカーで、ベースとなる車両は存在しません。

残念ながらCTR アニバーサリーはすでに完売となっていますが、RUF製のシャシーやボディをはじめ CTR アニバーサリーと多くの仕様を共有するNAエンジンを搭載した「RUF SCR」は購入可能です。

そして、ジュネーブオートショーにRUFが出展したもう1台が、最新のコンプリートカー「RUF GT」です。RUF GTはポルシェ991をベースとしたモデルで、最高出力522ps・最大トルク645Nmを発生する3L水平対向6気筒エンジンを搭載し、車両重量を1450kgに抑えています。

ローンチコントロール付きの7速デュアルクラッチトランスミッションが組み合わされ、最高速度320km/hというハイパフォーマンスを発揮。高速度走行でも装着されたダックテール・スポイラーにより大きなダウンフォースを得ることで、高い走行安定性を確保しています。

設立80年というアニバーサリーイヤーに相応しい2台のコンプリートモデルを公開したRUF。そのパフォーマンスの進化は終わりは見えません。

(萩原文博)

この記事の著者

萩原 文博 近影

萩原 文博

車好きの家庭教師の影響で、中学生の時に車好きが開花。その後高校生になるとOPTIONと中古車情報誌を買い、免許証もないのに悪友と一緒にチューニングを妄想する日々を過ごしました。高校3年の受験直前に東京オートサロンを初体験。
そして大学在学中に読みふけった中古車情報誌の編集部にアルバイトとして働き業界デビュー。その後、10年会社員を務めて、2006年からフリーランスとなりました。元々編集者なので、車の魅力だけでなく、車に関する情報を伝えられるように日々活動しています!
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