【週刊クルマのミライ】FC EXPO 2019を眺めて感じた燃料電池普及の予感

●第15回 国際 水素・燃料電池展 は270社が集まったB to Bの展示会

2019年2月27日から3月1日までの3日間、第15回 国際 水素・燃料電池展 FC EXPO 2019(主催:リードエグジビション ジャパン)が、東京ビッグサイトで開催されました。基本的にはB to Bの展示会ですからモーターショーのような華やかさはあまりなく、すぐにビジネスにつながるような技術やアイデアがところ狭しと展示されているといったイベントです。

270社が出展しているということですから、燃料電池といっても自動車関係だけではなく、定置型のユニットも展示されていますし、水素ステーション用のアイテムも見ることができました。水素を通すためのホースや漏れを検知するセンサーといったシステム構築に欠かせない専用品も数多く展示されています。

●再生可能エネルギーによる水素サプライチェーンという未来

自動車メーカーとしてはホンダの名前があるくらいで、しかもそのブースに飾られていたのは、簡単に設置できるのがセールスポイントとなっているSHS(スマート水素ステーション)の70気圧に対応した最新版。クルマよりもインフラ整備に力を入れているといった印象も受けました。

こうしたイベントがインフラ整備につながる様々な技術の展示会といったムードなのは、燃料電池の未来にとっては明るい話といえます。派手な技術発表には夢はありますが、現実性は薄い傾向にあります。しかし、2019年のFC EXPOにはもっと地に足の着いた雰囲気でした。

たとえば、大手サプライヤーの日立オートモティブシステムズメジャント(旧:トキコ)は、水素ステーションのセルフ化を可能とする充填設備を展示。顔認証システムを使うことで、しっかりと使い方を学んだ利用者を識別して、安全に水素を充填できるパッケージを提案していたのは、水素社会がリアルに近づいていると感じさせます。

水素社会は燃料電池自動車と水素ステーションがあれば成立するわけではありません。太陽光発電や風力発電といった再生可能エネルギーでの水素生成や水素サプライチェーンが広がっていき、自動車以外の用途でも水素を利用するようになってはじめて水素社会の成立といえます。

現実的なコストに抑えるための技術やサービスが数多く展示されたFC EXPO 2019を見て、水素社会・燃料電池の普及期に向けて着実に歩を進めているという印象を受けました。

未来のクルマというと、電気自動車と燃料電池車が覇権を競っているようなイメージを思い浮かべるかもしれませんが、バッテリーと燃料電池は補完し合う関係です。電気自動車と燃料電池車についても適材適所で、ゼロエミッション化を進めていくことでしょう。

(山本晋也)

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