●小粋なスタイルだけじゃない。軽快な走りも魅力のマイクラC+C
国産車が輸入車に対して圧倒的に差を付けられているのが、4シーターオープンカーです。レクサスIS Cを最後に国産車の4シーターオープンカーは販売されていません。しかし、かつてコンパクトカーをベースとしながら、電動開閉式のガラスルーフを採用した4シーターオープンカーが販売されていたのです。
今回はそんな小粋な4シーターオープンカー、日産・マイクラC+C(シープラスシー)を紹介します。
マイクラC+Cという名前の由来ですが、マイクラは日産マーチの欧州仕様車の名称で、C+Cはクーペ+コンバーチブルの略です。このモデルは英国日産で生産され2005年11月に欧州市場に投入され大ヒット。そのヒットを受けて、2007年7月より日本向けに仕様を変更した2007年モデル1500台が限定発売されました。したがってこのマイクラC+Cはピュア輸入車で、新車時価格は249万9000円で販売されました。
最大の注目点であるガラスサンルーフは欧州のオープンカー製造で定評のあるカルマン社製を採用。紫外線を約93%カットするガラスを採用することで、日焼け対策が施されています。ボタン一つで操作できるルーフの開閉時間は約22秒で完了します。
マイクラC+Cはオープンカーながら高い実用性を確保しており、トランク容量はルーフを閉めた状態で475L、開けた状態でも255Lという大容量。また広い開口と低いトランク下端によって荷物の出し入れしやすくなっているのが特徴です。
搭載されているエンジンは日本仕様のマーチには設定されていない1.6L直列4気筒自然吸気で、トランスミッションは5速MTと4速ATが組み合わされていました。駆動方式はFFのみですが、専用設計のサスペンションと剛性を高めたボディによって快適な乗り心地とスポーティで軽快走りを両立しています。それでは、マイクラC+Cの中古車の現状を見てみましょう。
マイクラC+Cの中古車の平均相場は72万円です。年末年始に一旦約66万円付近まで値落ちしたのですが、気温の上昇とともにオープンカーへの注目度が高まり値上がり傾向となっています。流通台数は30台でMTが5台、AT車が25台とAT車の流通台数が圧倒的に多く見つけやすいです。
中古車の価格帯は20万〜160万円で最も高額なクルマは0.7万kmというバリものです。MT車は台数が少ないこともあり、価格帯は49万〜116万円と高め。しかし、1.6Lエンジン+MTのパワートレインによるオープンエアの走りは他のクルマでは味わえない独特なものです。
先々代、先代とオープンモデルを設定したマーチ(マイクラ)ですが、現行型はコンパクトカーの中で存在感が薄くなってしまっているのが残念でなりません。次期型マーチはニスモのような走りのモデルに加えて、オーテック製のオープンモデルを設定してもらいたいです。
(萩原文博)