●SUBARUのこだわりAWDは多彩なラインアップ
先日、国交省が冬用タイヤ装着規制の中でもタイヤチェーンを装着しなければならない地域を発表して話題となりました。そこで活躍するのがタイヤチェーンですが、4WDの場合でも基本的にはベースとなる駆動輪(FFなら前輪)に装着します。
しかし、SUBARUのAWDだと前後駆動配分がどうなっているのか迷うところ。車種により前輪か後輪か指定されているので、取扱説明書を見るのが鉄則です。
SUBARUでは4つのAWDを設定しています。インプレッサ、SUBARU XV、レガシィ、フォレスター、レヴォーグの1.6Lモデルは電子制御AWDの「アクティブトルクスプリット4WD」を採用し、「60:40」を基本にロックまで可変させるシステム。レヴォーグ2.0LとWRX S4が採用する不等&可変トルク配分電子制御AWDの「VTD方式AWD」は、高出力に対応し、「45:55」から可変するシステム。
MT・海外仕様のXVなどが採用する「ビスカスLSD付センターデフ方式AWD」は、その名のとおり機械式AWDで、駆動配分は「50:50」。そしてMTであるWRX STIが搭載するのは「DCCD方式AWD」で、電子制御AWDにより「41:59」を基本としながらトルクを不等配分するシステムです。
さて、今回の雪深い山形で行われたSUBARUの雪上試乗会では、もちろん全車にスタッドレスタイヤ(ブリヂストンのブリザックVRX2)を装着。幸いにも(残念ながら?)大雪時に発令される全車チェーン規制になる状況はありませんでした。
SUBARU(AWD各モデル)では、AWDのチェーン装着時に前後グリップのバランスが大きく崩れることで、とくに雪になれていないユーザーが運転するとスピンしやすいという課題も開発段階から認識。純正タイヤ(夏タイヤ)の雪上性能、チェーン(アクセサリー)の評価なども実施しているそうです。これは、WRX、STIも含めた各AWD共通の開発設計。
標準装着タイヤに雪の性能を盛り込み、4WDのチューニングはもちろん、さらにアクセサリーの純正チェーン(スプリングチェーン)のチューニング(コマの数、利き具合)も施されているそうです。スタッドレスタイヤ、チェーン装着時ともに安心して走れるのもSUBARUのAWDモデルの美点といえそうです。
(文/塚田勝弘・写真/SUBARU)