フォレスターに備わる総合雪国性能は助手席でも実感できる【SUBARU雪上試乗会】

2019年冬、SUBARUが山形県・肘折温泉をチェックポイントに全行程200 kmほどの雪上試乗を企画しました。メディア向けのテストドライブでしたが、この試乗会のキーワードは「総合雪国性能」というものでした。

とはいえ、いまさら雪国で乗らなくとも、SUBARUが鍛え上げてきたシンメトリカルAWDが持つ走破性やスノーロードでのハンドリングに対しては十分な信頼を感じいるのも事実。果たして、2019年の雪上試乗では新しい発見はあるのでしょうか。

【ハンドルを握っていないからこそ実感すること。抜群の快適性】

今回の試乗は一日がかりのプログラムということもあり、ペアを組んでのドライブとなりました。つまり半分の時間は助手席で過ごすというわけです。新車試乗の際には助手席や後席での乗り心地や静粛性を確認するようにしていますが、これだけじっくりと助手席を味わう機会は、じつは滅多になかったりします。ちなみに、ペアの相手はかつて北米のレースシーンでも活躍された方で、運転についてはまったく心配なくお任せできる状況でした。

そうした好条件があったとはいえ、スバル・フォレスター(試乗したのは2.5LエンジンのPremiumグレード)の助手席は、雪道であっても想像以上に快適でした。まず乗り心地では気になるネガはありません。着座位置が高いこともあってクルマの挙動は伝わってきますが、雪道ということもあってロールは大きくありませんし、逆にタイヤのグリップ感が伝わってくるということは助手席に座っていても安心感につながることが再確認できました。

運転できないパッセンジャーなら違う感想になるかもしれませんが、フロントウインドウから真っ白な景色が見えている状況ではタイヤがグリップしているかどうかは安心材料となるわけです。

【足元も、腰回りも暖かいから寒さを感じない快適な空間】

SUBARUの総合雪国性能にはキャビンの快適性も含まれています。フォレスターでは全車にシートヒーター(前席&後席左右)が標準装備されていますし、ステアリングヒーターも標準です。視界を確保するフロントワイパーデアイサー(凍結防止する電熱機構)、ヒーテッドドアミラー、ヘッドランプウォッシャーなどもフォレスター全車に標準装備となっています。

今回、シートヒーターはずっとオンのままでしたが、お尻や腰回りはもちろん背中からじんわりと温まるのは車外で撮影などをして冷えた体にはありがたいものでした。なんでも、新型フォレスターではシート背もたれの上の方までヒーターエリアが拡大されているといいます。部分的ではなく全身をくまなく温めてくれるのです。

さらに空調による暖房も改良されています。冬場に気になる足元の寒さをカバーするよう足元を均一に温めるようにダクトが設計されているというのです。言われてみれば空調とシートヒーターの併用では体全体が温められている感覚で、どこか不足を感じる部分はありませんでした。このクラスで後席用のベントグリル(空調吹き出し口)を備えているのも、こだわりを感じさせます。

こうした快適性というのは満たされているときには、当たり前となってしまって気が付きづらい部分ともいえますが、ドライバー以外も恩恵を受けることができるのが、SUBARUの総合雪国性能というわけです。

(写真:SUBARU/門真 俊 文:山本晋也)

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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