●3代目プレジデントを独自の世界観でカスタマイズした珠玉の一台
大阪オートメッセ2019の会場には、今年もたくさんのメーカー、ショップが様々なカスタムをしたクルマが並びました。一足早く東京オートサロンで観たクルマもある一方で、オートメッセに来たから観られたというクルマも多数。取材の合間を縫ってそういうクルマを見て回るのは楽しいものです。
そんな時に一台のJG50系プレジデントを発見。もともと初代のインフィニティQ45をベースに卓越した走行性能を誇り、ショーファードリブンのリムジンらしからぬモデル、と言う評判も多かったクルマです。プレジデントとしては3代目のモデルですね。最近ではすっかり見かけることも少なくなってきましたが、ワイド&ローなボディは個性的なカッコよさがあり、独特の押出があって個人的に好きなモデルです。
そんなプレジデントをベースに、外装を紫に塗装。内装も淡い紫をアクセントにした、少しだけアイボリーがかったホワイトで総張り替えされています。ホイールはWORKのZISTANCE W5Sを装着。この時代のクルマで19インチはなかなかの迫力で目を惹きます。
出品データに「ゆり姫~king of PRESIDENT~」と銘打たれたこのクルマの女性オーナーに、お話を伺うことができました。
今は、こうしたイベントでの出展の際にしか出動しない状態にまで仕上げられていますが、もともとは普段から乗れるくらいの、少しだけ手の入ったモデルとして数年前に購入したというプレジデント。購入後に苦労したのがプレジデント自体のパーツの入手難だそうで、「ここまで仕上げることになったきっかけは、パーツが出なくなってきていて、それならばいっそのこと自分の好きなようにカスタムしてしまおうと思ったのです」とのこと。
内外装がきれいな紫でまとめられていますが、確かに男性のセンスではなかなかできないかも、と思わせるコーディネートです。
「内装の配色、デザインなども自分で考えました。あの色はラベンダーですが、ラベンダーはハーブの女王と言われています、私もクルマの世界で「女王」と言われたいという想いを込めて、この色にしたんです」
せっかくの機会なので愛車と一緒に写真を撮らせてもらっていたら、たちまち周りにギャラリーが集まっていました。ベース車自体が今の基準・規制では絶対生まれることのないクルマです。のびやかでおおらかなデザインも含めて、このクルマで女王に昇りつめてほしいですね。
(中込健太郎)