【ジープ・チェロキー雪上試乗】初のフルモノコックボディでも独自の駆動制御モードで安心感ある走り

●比較的コンパクト(?)なSUV、ジープ・チェロキー

現行の4代目ジープ・チェロキーは、歴代で初めてフルモノコックボディ(FF系ベース・横置きエンジン仕様。ただし日本仕様はすべて4輪駆動)を採用したもの。

今回、2018年末に追加された最新モデル・リミテッドに雪上で試乗してきました。全長は4665mmで全幅は1860mm、全高は1725mmとなります。

近ごろ無尽蔵にサイズアップしていくSUVの中で、全幅1860mmというのはもはや良心的な数値となってきました。全長は4.7m未満ですので、幅が気にならない環境であればコンパクトなモデルだと言えます。

4代目のデビュー当初は、高い位置にセットされたポジションランプと対照的に下方に設置されたヘッドランプが特徴的で話題をさらいましたが、フェイスリフトを受けて以降のチェロキーは、複合型の一般的なランプがセットされる形になっています。

最新モデルではヘッドライト・ポジションランプ、テールランプも含めてすべての灯火類がLED化されています。

グリルには、ジープ・ブランドに共通する7スロット(特徴的な長穴が並ぶスタイル)デザインが採用されています。

ラゲッジドアには、ジープ初のハンズフリー開閉(バンパー下に足をかざして作動)をするパワーリフトゲートが採用されています。

後席は6度の傾斜角調整ができるリクライニング機能を備え、前後スライドもします。

運転席周りは高めのベルトラインに囲まれた環境が、安心感を演出してくれます。

ドア周りのベゼルはチタン風の処理。センターには8.4インチの大型タッチパネルモニターが備わることが特徴です。

搭載されるユニットは2L・4気筒ターボエンジン。最高出力は272ps/5250rpmで最大トルクは40.8kgm/3000rpmとなります。高出力ユニットですが使用燃料はレギュラーなのがありがたいですね。

トランスミッションは9ATで、ルルル……と歌うように軽やかに変速します。

サスペンションは高張力スチールとアルミニウムを使って軽量に仕上げたストラット&マルチリンク式です。

セレクテレインシステムと呼ばれる駆動モード可変システムが搭載されています。モードは「オート」「スノー」「スポーツ」「サンド/マッド」の全4種類。今回はこのシステムをオートに入れて雪上を走ってみました。

オートモードでは路面や運転状況に応じてFFと4WDを自動で切り替えるほか、各輪のトラクションやブレーキ制御をすべてベストな状態にコントロールしてくれます。

走行した路面は全面が雪で覆われたいわゆる圧雪路。

そんな環境でも問題なく走る、のは当然として、加減速や操舵でドライバーが何か操作をするたびにしっかりとしたグリップ感を伴って車体を動かしてくれるのが美点と感じました。一般的な運転者にとっては、走破力自体より「これならいける」と思えるかどうかのほうが重要ですから。

(写真・動画・文/ウナ丼)

この記事の著者

ウナ丼 近影

ウナ丼

動画取材&編集、ライターをしています。車歴はシティ・ターボIIに始まり初代パンダ、ビートやキャトルに2CVなど。全部すげえ中古で大変な目に遭いました。現在はBMWの1シリーズ(F20)。
知人からは無難と言われますが当人は「乗って楽しいのに壊れないなんて!」と感嘆の日々。『STRUT/エンスーCARガイド』という名前の書籍出版社代表もしています。最近の刊行はサンバーやジムニー、S660関連など。
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