マツダが「アダプティブ・LED・ヘッドライト(ALH)」で、第53回機械振興賞の「経済産業大臣賞」を受賞

●状況に応じてヘッドライトの配光制御を実施する「アダプティブ・LED・ヘッドライト」

マツダの「アダプティブ・LED・ヘッドライト(ALH)」が「第53回機械振興賞」の「経済産業大臣賞」を受賞しました。

機械振興賞とは、機械工業にかかわる優秀な研究開発と、その成果の実用化により機械工業技術の進歩・発展に著しく寄与したと認められる企業・大学・研究機関および研究開発担当者に対して贈られるもので、「経済産業大臣賞」はとくに優秀と認められる業績に対して贈られる最高の賞です。

今回受賞した「ALH」は、夜間においても「昼間と同じ運転視界の確保」を目標に、夜間の視認性を高め、ドライバーの危険認知をサポートするヘッドライトの先進技術です。グレアフリー(防眩)ハイビーム、ワイド配光ロービーム、ハイウェイモードの3つの機能から構成され、単にハイビームの配光を自動で切り替えるだけではなく、車速や道路状況に応じて、最適な視界を確保するように配光制御を実施するもの。

筆者も何度か複数の車種で試したことがあり、対向車を幻惑しないように、対向車の部分だけがロービームのように、光が「凹」になっているように確認できます。筆者の体験ではまだ精度は100%ではなかったものの、とくに郊外ではハイ/ロービームの切り替えをせずに済むのが便利だと実感できます。

受賞では、フロントガラスのカメラ画像から前方の状況を自動的に判断し、ランプユニット内の複数のLEDを制御して対向車への防眩と運転者の視界確保を両立させたことと、LEDの点灯/消灯をスムーズにすることで運転者の目の負担を軽減したこと、従来は高級車のみ採用される装備を普及価格帯まで広げた点が高く評価されたそうです。

受賞対象は、「夜間視界向上ヘッドランプ制御システムの開発」で、開発担当者は、マツダ装備開発部の朝日雅博氏、中矢喜昭氏。電子性能開発部の内海将司氏、西田武彦氏となっています。

(塚田勝弘)

この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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