【東京オートサロン2019】メーカー系デザイナーに突撃インタビュー。ダイハツ「COPEN Coupe」はオープンルーフにはない魅力をめざす

●限定発売が実現した「COPEN Coupe」が目指したスタイリングとは?

今年も大いに盛り上がった「東京オートサロン2019」。今回はメーカー系ブースで気になったグッドデザイン5台について、担当デザイナーに突撃インタビューを敢行しました。2台目はダイハツ「COPEN Coupe」に突撃です!

── 2016年のオートサロンに出展、今回好評を得ての限定発売になったわけですが、もともとはどのようなコンセプトだったのでしょう?

「キーワードは「エレガント&エモーショナル」で、ベースのCero(セロ)にマッチするようなクーペでありつつ、しかしオープンルーフとは異なる流麗で躍動的なスタイルを目指しました」

── 2016年のモデルでは、フロントランプやグリルにメッキパーツが付いていましたが?

「はい。その他にオプションのスポイラーなども付けていたんですが、今回は細部のデコレーションよりも、もっとトータルな素のよさを感じて欲しかった。スッピンの美しさですね。また、あくまでも着せかえの一環として、実はベルトラインから下はCeroとまったく同じにしているんです」

── クーペスタイルにはいろいろな考え方があると思いますが、若干ノッチのついたこのカタチに落ち着いたのは?

「2016年にはシューティングブレークも出したんですが、あれとは違う長さ感を狙いました。ノッチを付けたのは、リアピラーとボディの接合部分の面の変化による美しさを出したかったんです。単にハッチバック風だと素っ気ないし、オリジナルのCeroの場合はルーフがトランクに真っ直ぐ当たってしまっていてちょっと違うかなと」

── ドアのキャラクターラインは強烈ですが、これを生かすのは難しかったのでは?

「いやあ、しんどかったですね(笑)。生かすにしても、リアに向けてのラインの先をどこに向けるかで印象が大きく変わってしまう。正直、ここはデザイン部だけではなく、用品部の意見も合わせて進めたところですね」

── 初代をイメージしたということはありませんか?

「いや、それはとくにないですね(笑)。初代は魅力的ですけど、Ceroと同じでルーフやピラーとトランクが別物の見せ方になってしまっている。今回は、あくまでクーペとしての美しさを目指しました」

── ボディカラーを2016年のエンジ色からグリーンに変えたのはなぜですか?

「今回の限定販売にあたって、Ceroの上位人気色であるグリーンとホワイトにしました。もちろん、お客様からの要望があればいろいろ展開を検討したいと思います」

── まずは限定販売の状況を見てからですね。本日はありがとうございました。

[語る人]
ダイハツ工業株式会社
デザイン部 第2デザイン室 海外スタジオ主査 和田広文 氏(写真左)
部品部 用品開発室 副主任 和田秀之 氏(写真右)

(インタビュー・すぎもと たかよし)

この記事の著者

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すぎもと たかよし

東京都下の某大学に勤務する「サラリーマン自動車ライター」。大学では美術科で日本画を専攻、車も最初から興味を持ったのは中身よりもとにかくデザイン。自動車メディアではデザインの記事が少ない、じゃあ自分で書いてしまおうと、いつの間にかライターに。
現役サラリーマンとして、ユーザー目線のニュートラルな視点が身上。「デザインは好き嫌いの前に質の問題がある」がモットー。空いた時間は社会人バンドでドラムを叩き、そして美味しい珈琲を探して旅に。愛車は真っ赤ないすゞFFジェミニ・イルムシャー。
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