【トークイベントも実施!】
さらにブース内にある特設ステージでは、高橋国光総監督と2018RAYBRIGレースクイーンのトークショーが開催されました(期間中毎日開催)。
国光総監督といえば2輪、4輪合わせて489レースに出場し、通算71勝を挙げている日本のレジェンドドライバー。現役を引退してからは自らのレーシングチームであるチームクニミツの監督を務め、レース人生なんと60年!
その中でもチャンピオンを獲得した昨シーズンは、特別な年になったようです。
「レースを始めてから60年経つんですけれども、本当に良い結果が出たので記念すべき年になりました。チャンピオンが獲れたのはクルマを造りあげた人達、それと何と言っても山本(尚貴)選手と(ジェンソン)バトンが確実にチェッカーを受けたからではないかなと思います。レースは一瞬で、例えばコーナー中はシフトダウン、ブレーキ、あるいはアクセルといった様々な動作がありますよね。ようするに自分の目の前の事の一瞬の積み重ねで、二度と同じ瞬間は訪れないわけです。人生と似ているところも含めて、レースというのは価値があるのではないかと思います」
レース界で活躍し続ける国光総監督。その“信念”は、一体どのようなものなのでしょうか。
「最初は2輪のレースに出ていたのですが、18歳の時に初めてレースを経験してから60年……。なんかおじいさんですね(笑)。それから1960年に初めてヨーロッパのレースに出て、カルチャーショックを受けました。日本のモータースポーツファンはその当時、今とは全然違ったんですよ。僕がその時感じたのは、レースほど素晴らしいスポーツはないだろうということです。自分の技量だけでなくて、いろんなクルマがなくてはならない。レースをやるには様々な状況が必要なんです。日本にはそのような文化もまだなくて、モータースポーツというのは文化レベルの高い国が発展していると言われていたんです。その時『絶対に良いレーサーになろう、モータースポーツを頑張ろう』と思いました」
トークショーでは、質問コーナーも! 「バトンが加入し英語を頑張ろうと思った」と言う男性から、「バトンとはどのようにコミュニケーションをとりましたか?」と質問が飛び出しました。
「20代前半に本田宗一郎さんとレースの旅をしていた時は、勉強をしていたんですけどね。もう忘れちゃいました(笑)。僕は彼に『Yes、No、Good driving』くらいしか言ってません(笑)。バトンはさすがスーパースターで、言葉が通じなくても状況判断が素晴らしいんです。でも、一人が良くてもダメなんです。山本選手はバトンにアドバイスをしていましたし、ドライバーの状況を小島監督、そして伊与木 仁チーフエンジニアがしっかり受け入れていた。その結果として、チャンピオンになれたのではないでしょうか」
長年チームクニミツを応援してきたという女性から「モータースポーツの世界はプレッシャーを感じることが多いと思いますが、その改善策はありますか?」という質問がでると、国光総監督は優しい眼差しで語りかけました。
「確かにプレッシャーはいろいろありますよね。でもこれは誰にだってあると思うんですよ。プレッシャーを感じても、対応していかなければいけません。レース場においてのプレッシャーというのは、もちろんあります。やはり良い結果を出さないと、スポンサーさんや応援してくれている人達に感謝の気持ちが通じません。だから良い結果を出さないといけない。なので『なんとか良い方向にいってほしいな』と祈る気持ちを持つようにしています。」
「プレッシャーというは誰にでも平等にあって、生きているということだけでプレッシャーを感じなければいけないんじゃないのかなとも思うんです。それに対してどうするかというと、やはり元気に生きることだと思います。悪いことを考えないで、気持ちを元気にすることだけでも良い。人に手を借りなければいけない、あるいは助けてもらわなければいけないこともありますよ。でもまず第一は自分がその気になって、生きようとか頑張ろうとか、そういう気持ちにならなければいけないと思うんです」
途中から人生相談室に来ているのかと思うくらい、深い話をしてくれた国光総監督。新年早々、良い話を聞けました!
まだまだ元気に、今シーズンもチャンピオンを目指して頑張ってほしいです。応援しています!!
(yuri)