戦闘力を高めたヤマハのクロスカントリー競技用の2022年モデル4機種が登場

■新カラーの「ディープパープリッシュブルーソリッドE」、新グラフィックを採用

ヤマハ発動機は、クロスカントリー競技用の2022年モデル4機種を2021年10月28日に発売します。

ヤマハ YZ450FX
「YZ450FX」のスタイリング

このほど、マイナーチェンジを受けた「YZ250FX」は、中高速域の出力と低中速域での扱いやすさが向上したエンジンが特徴です。クリーナーボックスのキャップケースにダクトが設けられ、流入空気量をアップさせることで中高回転域でのパワーアップが果たされています。

さらに、排気側のカムプロフィールが変更され、オーバーラップを減らしてワークアングルを最適化することで、低中速での扱いやすさを向上したそう。

ハイパワー化に伴いカムチェーンテンショナーが、伸・圧コイル併用の従来式を継続したうえで、伸側コイルのスプリング特性を最適化。これにより、高回転域での滑らかな作動性を確保するとしています。

ヤマハ YZ250FX
「YZ250FX」のスタイリング

ほかにも、走行環境への対応力を高めるべく、新たなFIマップを織り込み、最適セッティングが施されたECUを採用。

FX専用チューニングのフレームの採用や、軽量で高いパフォーマンス性とコントロール性が両立されたブレーキ、幅広いシチュエーションに対応させたパワーチューナーなどにより、クロスカントリー競技用としての戦闘力が高められています。

フロントブレーキは、ピストンサイズが22.65mmから25.4mmに大径化され、キャリパーは形状の見直しで剛性を30%アップさせたそう。さらに、摩擦力の安定性に優れたパッド材が使われ、面積を25%拡大、270mm径のローターはステー部の形状を変更することで、重量を増やさずにパッドとの接触面積が16%拡大されています。

リヤブレーキは、キャリパーの形状変更により軽量化されています。ローター形状が変更され、制動力を維持したまま軽量化。加えて、熱容量バランスの最適設計により熱歪みを最小限に抑えられています。

ヤマハ YZ250X
249ccの「YZ250X」

パワーチューナーは、よりわかりやすく、使いやすくするため、推奨マップのバリエーションが改良され、幅広い状況に対応。

特性が似ていた「MX Power Feeling」と「High Revving」が「MX Power Feeling」に統合され、「MAP1」に設定されていた「Mild Power」は廃止。「MAP2」への推奨マップとして「Hard Terrain for MAP2」が設定されました。「MAP2」よりもマイルドで、よりテクニカルなコースでもパワーを扱えるような特性になっていているそう。また、ECU MAPも日本のシチュエーションに最適化された専用セッティングになっています。

今回のマイナーチェンジで、YZシリーズ共通コンセプトの新カラー「ディープパープリッシュブルーソリッドE」とグラフィックが採用されたのもトピックス。今回の新製品は、「ヤマハオフロードコンペティションモデル正規取扱店」において、2021年7月30日から12月26日までの期間限定で予約の受付が行われています。

ヤマハ YZ125X
124ccの「YZ125X」

価格は124ccの「YZ125X」が63万8000円。249ccの「YZ250X」が74万8000円。同じく249ccの「YZ250FX」が97万9000円。449ccの「YZ450FX」は、112万2000円。

なお、4モデル共に、年内の生産計画を超えるオーダーを集めていて、予約が一時停止されています。予約の再開時に、ヤマハ発動機の公式サイトで告知されます。

塚田 勝弘

この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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