「ロックスター」は光岡自動車の新たな方向性を示唆する一台

光岡自動車の創業50周年記念モデル「ロックスター」が11月29日(木)に正式に発表され、12月1日(土)より受付を開始している。

限定生産されるこの車両は、マツダNDロードスターをベースにしたモデルだが、光岡の既存モデルとは全く異なる1台となっている。光岡といえば、丸目のヘッドライトを使用した欧州のクラシックカー然とした車両(唯一、光岡オロチは例外といえるが…)というイメージが強いが。このモデルはアメ車の雰囲気を色濃く反映した一台だ。

光岡自動車の50周年を記念する一台なら、これまで光岡自動車が手掛けてきたその欧州クラシックテイストの究極の一台を作るということも考えられたのではないかと思うのだが、これについて、光岡自動車の渡部 稔・事業部営業企画本部担当執行役員は

「光岡は、国内で10番目の自動車メーカーでありますが、他にもアメ車販売を手掛けるBUBU、そしてランボルギーニ、マセラティ、フォルクスワーゲン、アウディ、キャデラック、シボレーといったさまざまなブランドのディーラーも持っています。
今回の記念車はそういった光岡自動車全体での50周年を祝うという意味があります。そのお祝いという意味の賑やかな感じ、理屈抜きに楽しさを感じられるクルマがこのロックスターです。アメ車っぽいというのも、BUBUでアメ車販売に携わってきた我々の独創性という合わせ技の逸品です」

と語る。

渡部執行役員は、光岡自動車のデザイナーである青木孝憲・事業部開発課課長と、数年前からアメ車をテーマにした新型車を作りたいと、常日頃話し合っていたという。今回の50周年記念モデルについても、渡部役員が若いころに憧れたVWカルマンギアをイメージしたものをデザイナーである青木課長に依頼したのが、そのきっかけであったという(最終的にはカルマンギア案ではないこのロックスターに落ち着いたのだが…)。

「ロックスター」は光岡の50周年の記念車ではあるが、光岡のこの先の50年を見据えたクルマともいえる。200台の限定車だが、そのうちの50台を、事前に光岡自動車の顧客向けに先行受付を行なったところ、早々に完売となっている。

この記事の著者

青山 義明 近影

青山 義明

編集プロダクションを渡り歩くうちに、なんとなく身に着けたスキルで、4輪2輪関係なく写真を撮ったり原稿書いたり、たまに編集作業をしたりしてこの業界の片隅で生きてます。現在は愛知と神奈川の2拠点をベースに、ローカルレースや障がい者モータースポーツを中心に取材活動中。
日本モータースポーツ記者会所属。
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