【週刊クルマのミライ】ホンダが中国で発売するヴェゼルベースのEVは大容量バッテリーを積む

ホンダが、2018年広州モーターショーにおいて、広汽本田汽車有限公司(広汽ホンダ)と共同開発をした中国専用EV「理念 VE-1」を世界初公開しています。

ドア形状などからわかるように、グローバルモデルであるコンパクトSUV「ヴェゼル」をベースにしたEVですが、驚かされるのは、床下に搭載されるというリチウムイオンバッテリーの総電力量が53.6kWhとなっていることです。

日産リーフのバッテリー総電力量が40kWhですから、理念VE-1の車体サイズを考えると、かなりコンパクトなバッテリーパックとなっているか、絶妙なパッケージングを実現していることが想像できるのです。

駆動モーターのスペックは、最大出力120kW、最大トルク280Nmと発表されています。これは、CR-VやクラリティPHEVといった2モーターハイブリッドシステムが最大出力135kW、最大トルク315Nmとなっていることと比べると控えめですが、それでもホンダは「SPORT EV」として意のままと感じられるようなドライビング性能を実現』したと発表しています。

つまり、大容量バッテリーを搭載していても、重量はそれほど重くなっていないと予想されるのです。

車体の印象からメーカー製コンバージョンEVといった風情の理念VE-1ですが、大容量かつ軽量だとすれば、バッテリー周りの設計はかなり攻め込んだものだと期待が高まります。なお、NEDC(欧州サイクル)での航続可能距離は340kmと総電力量から考えると短めな印象。

40kWhの日産リーフのNEDC値が378kmであるので、53.6kWhという数値からすると航続可能距離が500kmに届いていてもおかしくないように思えるのですが……。

(山本晋也)

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山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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