1.3Lから1.5Lエンジンに「ライトサイジング」されたマツダ・デミオのガソリンエンジン搭載車に試乗しました。
マツダは、排気量を拡大することで、市街地だけでなく高速道路や坂道など、日常のさまざまな走行シーンで「ゆとりのあるスムーズな走り」の実現を目指したとしています。
さらに、1.5Lエンジンの採用によりエンジン効率の良い領域を有効に使用できることから、アクセルの踏み込みやシフトダウンの頻度が減少し、実用領域における燃費の向上に寄与するとしています。
つまり、1.5Lにライトサイジングすることで、モード燃費重視よりも実用燃費の向上を図るというもの。デミオには従来から「15MB」向けの1.5Lガソリンエンジン「P5-VPS」型があり、こちらはプレミアムガソリンを指定しています。「15MB」以外に搭載される1.5Lガソリンエンジンも「P5-VPS」型ですが、こちらはレギュラーガソリンを指定。
両エンジンともにボア74.5mm×ストローク85.8mmも同一で、異なるのは圧縮比。15MB用は14.0、15Cや15Sに搭載される1.5Lガソリンエンジンは12.0。15MBは、116ps/6000rpm・148Nm/4000rpmというスペックで、15C/15Sは110ps/6000rpm・141Nm/4000rpm。
なお、15MBにプレミアムガソリンを給油できない場合、レギュラーガソリンも使用できるものの、エンジン出力低下などの現象が起こるとしています。
デミオの1.5Lガソリンエンジンの試乗車はMT仕様で、エンジン排気量の拡大を理解するには打ってつけ。なお、1.3Lガソリンエンジンの「P3-VPS」型は、92ps/6000rpm・121Nm/4000rpmでしたので、18ps/20Nmのアップとなっています。
街中では従来よりも増したトルク感が印象的。驚くほどトルクフルではないものの、クラッチをつないだ瞬間からスムーズな発進性が得られますし、街中でのストップ&ゴーも力強くこなしてくれます。
高速道路に入るとパワーアップの恩恵は明らかで、1.3Lガソリンよりも流入路での加速シーンに余裕があり、山岳路では思いのほかスポーティな走りも披露してくれます。MT仕様は変速フィールも良好そのもので、ちょっとしたスポーティコンパクトといえる爽快な走りが可能。
レギュラーガソリンを指定することもあり、快適装備も含めてモータースポーツベース的な15MBよりも買いやすく、魅力的な選択肢といえそうです。
(文/写真 塚田勝弘)