2018年11月17日(土)、18(日)に鈴鹿サーキットで開催されるヒストリックイベント「RICHARD MILLE SUZUKA Sound of ENGINE 2018」。1962年に日本初の本格的な国際レーシングコースとして開場した鈴鹿サーキットは2012年に50周年を迎え、この歴史的価値を絶やすことなく維持し続けるために2015年より行われてきました。
毎年多くの名車達が会場を盛り上げてくれますが、今年は一味違います。なんと、東アジア初となる「Fusion Coin Masters Historic Formula One in JAPAN」のレースがイベント内で開催されるのです!
ヨーロッパ内でシリーズ戦が行われている「Masters Historic Formula One」は、グラウンドエフェクトカー(車体下面と地面の間を流れる空気流を利用してダウンフォースを獲得することを目的に設計されたマシン)や年式などによって4つのクラスに分けられ、ヨーロッパやアメリカで注目を集めている「もうひとつのF1グランプリ」。
参加できるのは1966年から85年までのノンターボ3リッターF1マシンで72年末までに製造された「ジャッキー・スチュワートクラス」、73年以降のノン・グラウンドエフェクトカーによる「エマーソン・フィッティパルディクラス」、73年以降のグラウンドエフェクトカーを対象とした「パドリック・ヘッドクラス」、73年以降に製造されたフラットボトムマシンで争う「ニキ・ラウダクラス」に分けられています。
昨年の「RICHARD MILLE SUZUKA Sound of ENGINE 2017」では、11台のヒストリックF1マシンがデモンストレーション走行を行い「いつか鈴鹿サーキットでレースをしてほしいな」と思っていましたが、まさかこんなに早く実現するとは! 感激です。
そして今年は、鈴鹿サーキットでのF1日本グランプリ開催以前のヒストリックF1マシン23台が集結!! ここで全てのマシンを紹介たいところなのですがさすがに難しいので…(笑)、少しだけ紹介しますね。
■ジャッキー・スチュワートクラス
March 721G(1972年):1972年用の721Xをドライバーであったニキ・ラウダが「完全な失敗」「死産」「災害」と呼び失敗に終わったのを受け、F2の722をベースに急遽9日間で設計されたといわれる1台。シーズン終了後に改修され翌年も731として使用されたほか、1台がヘスケス・レーシングに売却され、若き日のジェームス・ハントもドライブしたのだとか。
■エマーソン・フィッティパルディクラス
March761(1976年):「RICHARD MILLE SUZUKA Sound of ENGINE」初見参のヘンリー・フレッチャーの761。ロニー・ピーターソンがオーストリアGPでポールポジション獲得、イタリアGPで優勝を果たすなど、直線スピードを生かした高い戦闘力を示したマシンです。
LEC CRP1(1977年):マーチやトークンでドライバーとして活動していたデイヴィド・パーレイが、父親の経営する冷蔵機器メーカーLECの支援を得て設立したコンストラクター。第7戦ベルギーGPから参戦を開始するも第10戦イギリスGPのプラクティスでF1史に残る大クラッシュを起こし撤退。 179.8Gの衝撃から奇跡的に生還したパーレイは、「最も大きい重力に耐えた人間」としてギネス認定されました。